16/12/21 05:36:55.48 2MtOMaiD0.net
>>143
─『笑撃!これが小人プロレスだ』の付録DVDを見ていて、こんなに笑い声が起きていることにビックリしました。
もし今、小人プロレスをやったらこんなに笑いが起きるでしょうか。
「やってみないと分からない部分はありますが、笑いそのものの質が変わってきていますし。
ただ、当時は子供たちが素直に笑ってましたね。大人になって意識が芽生えてしまうと
なかなか笑えないですよね。『笑っちゃいけないんじゃないか』とかそういう感情が入ってきてしまいますから」
エンターテイメントとして、少なくないファンを獲得していた小人プロレス。しかし、
笑いだけが小人プロレスの魅力だったわけではない。
─女子プロレスラーの長与千種さんが「小人プロレスは技として美しい」と話していましたが、
その技術も小人プロレスの魅力のひとつだったんでしょうか?
「とりわけリトル・タイガーという選手は圧倒的なすごさでしたね。
ポーンと飛んだ時の高さが違うんです。そしてそのまま技を決める。そういう意味で言えば、
女子プロの選手たちもリトル・タイガーの動きに憧れていたっていうのはあるんじゃないでしょうか」
─小人プロレスでは猛練習はもちろん、普通のレスラーとは違った動きというのも求められますよね。
「小人プロレスラーが集まるミーティングの席では、男子プロレスと同じ技を出すと怒られるんですよ。
『どうして男子プロレスと同じ技を使うんだ』って。小人にしかできない技をやることが彼らのプライドなんです
。自分たちにしかできないプロレスを常に考えていましたね。そして
、フェイントをかけて笑いを取るということも含めて彼らの技だったんですね」
─現在では、普通のプロレスでもレフェリーと絡んだりする場面を目にしますが、
そのようなコミカルな動きをプロレスに取り入れたのは小人プロレスが最初だったそうですね
。今では逆に、プロレスが小人プロレス化しているようにも思えます。
「先日、ターザン山本さんと吉田豪さんとのトークショーイベントにゲストで呼ばれたんですが、
ターザンさんもやはり客いじりやレフェリーと絡んだりなど、
現代プロレスの小人プロレス化を話していました」
─高部さん自身、小人プロレスの試合の中で一番印象に残っているシーンはどのようなものでしょうか?
「レスラーが相手をロープに投げ出す場面がありますよね。
普通、ロープにあたってポーンと跳ね返ってくると誰もが思います。けど、リトル・フランキーは違って、
ロープの間にくるりと身体を回転させて戻ってきちゃうんですね。その時はすごい驚きがありました。
誰もが思っている『当たり前』をひっくり返した時の感嘆、それはもうゾクゾクと来ますよね」
─まさにエンターテインメントですね。
「そうです。天草海坊主というレスラーがいたんですが、彼は『自分の技に笑って笑って1人くらい死ぬ人がいれば本望』
と言っていたんですね」
─プロレスラーというよりも芸人さんの言葉のような(笑)。
「けど、彼らの試合結果はスポーツ紙には決して出ていないんです」