16/12/03 10:24:18.13 CAP_USER9.net
所得金額約1億円超から税負担が軽くなる
日本の所得税率は現在、5%~45%まで7段階の累進税となっている。最高税率は45%で、4000万円以上の課税所得に適用される。
よく誤解されがちだが、例えば、課税所得が5000万円の場合、丸々5000万円に45%が適用されるのではなく、4000万円を超える1000万円に対して45%の税率が適用される。いわゆる超過累進税率方式を採用している。
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グラフを見ていただきたい。これは分母に所得、分子に所得税を採って、所得税負担率を計算したものだ。対象者は確定申告を行った申告納税者だけで、企業が税金徴収を代行(源泉徴収)しているほとんどの会社員が含まれていないという限定つきながら、大きな傾向を示していると言える。
グラフの実線が負担率。ひと目で分かるように2013年、2014年とも所得税負担率は1億円近辺をピークに、それ以上稼ぐと徐々に低下していき、100億円以上では13年で11.1%、14年で17%しか負担していない。それはなぜか。
理由は簡単だ。給与所得や事業所得に対しては、最高税率45%の累進税が適用されるのに対して、株式等譲渡所得(いわゆるキャピタルゲイン)や配当、債券・預金の利子などの金融所得に対しては、20%の軽減税率が適用される「分離課税」となっているためだ。
このため所得(グラフでは合計所得)に占めるキャピタルゲインの比率が高くなるほど、全体を平均すると負担率が低くなる。グラフの破線が所得に占めるキャピタルゲインの比率を示しているが、超高額所得者ほどキャピタルゲインの占める比率が高く、その結果、負担率が低くなっている。
負担率が20%を下回る所得層がいるのは、金融所得に対する税率20%の内訳が、所得税15%+住民税5%となっており、国税庁の元データが所得税の15%のみを集計しているため。
2013年分では、その15%をも下回る層が存在するのは、2013年末まで10%(所得税7%+住民税3%)と、軽減税率をさらに軽減した税率が適用されていたからだ。
金融所得課税5%の引き上げで約1兆円の税収増が見込める
税率は負担能力に応じて徐々に高くなっていくのが公平だとすれば、この状態は明らかに公平の原則に反しているように見える。ただ、ことはそう単純ではない。
理由は大きく言って二つある。一つはキャピタルゲインをどう考えるかという問題。株式に対する課税は毎年の含み益(株式を保有したままで利益が出ている状態)に課税されるわけではなく、売却して利益が実現したときに課税される。
とすると、ある企業が小さいときに投資して、それが10年や20年後に大企業となった結果、売却して大きな利益を得た場合、その一時点だけを捉えて、給与所得並みの高い税率を課すのは公平と言えないという考え方もある。
同じようなことは、ベンチャーの経営者が努力してビジネスを成功させて株式の上場にこぎつけ、保有株式を売却した際にも起こる。キャピタルゲインに対する税率を高くし過ぎると、リスクに挑戦する意欲をそぎ、経済全体の活力をそぐことにもなりかねないというわけだ。
?もう一点は、グローバル化し資本が自由に動ける現在の世界では、金融資産に対する投資は「逃げ足が速い」という性質を持っていること。キャピタルゲインに対する税率を上げた結果、投資資金が海外に逃げ出し、かえって税収が減るという可能性もある。
実際、G5(英米仏独日)では、フランスを除く4ヵ国が、金融所得に対して分離課税制度を採用しており、事業所得などとは別の税率を適用している。
?一方、キャピタルゲインをもたらす企業の利益も、社会全体からもたれされたものだから、税負担率を上げて社会全体に還元すべきという考えも成り立つ。東京財団の森信茂樹上席研究員の試算によれば、いまの分離課税のままで、金融所得に対する税率を20%から25%に引き上げると、
約1兆円の税収増になるという。これを原資に、貧困対策や教育に回すこともできる。社会全体が健康になり教育水準も上がれば、ひいては企業の利益にもプラスになるだろう。
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2016/12/02(金) 21:21:49.66
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