16/11/26 22:00:34.35 7nMuic+c0.net
>>520
皇国思想家の橘孝三郎が『日本愛国革新本義』(32年刊行後発禁)で、嘆息
しながら庶民の会話を書き留めている。日本がマイナスのスパイラルに陥って
いく昭和前期の漠然とした心象が語られていると思う。
「どうせなついでに早く日米戦争でもおっぱじまればいいのに」
「ほんとにそうだ。そうすりゃー景気来るかも知らんからな、ところでどう
だいこんな有様で勝てると思うかよ。何しろアメリカは大きいぞ」
「いやそりゃどうかわからん。しかし日本の軍隊はなんちゅうても強いから
のう」
「そりゃ世界一にきまってる。しかし、兵隊は世界一強いにしても、第一軍
資金がつづくまい」
「うむ……」
「千本桜でなくともとかく戦というものは腹がへってはかなわないぞ」
「うむ、そりゃそうだ。だが、どうせまけたって構ったものじゃねえ、一戦
争のるかそるかやっつけることだ。勝てば勿論こっちのものだ、思う存分金
をひったくる、まけたってアメリカならそんなにひどいこともやるまい、か
えってアメリカの属国になりゃ楽になるかも知れんぞ」