16/10/02 08:42:25.75 CAP_USER9.net
点滴袋の管理状況(イメージ)
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大口病院で発生したトラブルや事件の経過
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横浜市神奈川区の「大口病院」で点滴を受けた男性入院患者2人が中毒死した連続殺人事件で、犯行に使われた点滴が搬入された9月17日は、通常より看護師の勤務人数が少なかったことが、捜査関係者への取材で分かった。内部の勤務実態に詳しい人物が、人目に付きにくい日を狙って点滴に異物を混入した疑いがある。注射器を使ったとみられる混入手段などから、医療の知識を備えているとみられるが、物証が乏しく容疑者の絞り込みは難航している。
■医療知識備える
事件は9月23日午後、八巻信雄さん(88)の死因が界面活性剤による中毒死だったと神奈川県警が発表して露見した。八巻さんの死後、泡立った点滴を不審に思った看護師が病院側に相談したのが端緒だった。
県警は神奈川署に捜査本部を設置。18日に死亡し、一度は病死と判断された西川惣蔵さん(88)も、司法解剖で中毒死だったことが判明した。
これまでに判明した手口からは、医療知識を備える病院関係者が浮かぶ。
点滴に混入されたとみられるのは、院内で日常的に使用されている消毒液「ヂアミトール」。八巻さんらに投与された点滴のゴム栓部分には、注射器のようなもので穴が開けられていたとみられる。
点滴は17日午前に1階の薬剤部から4階ナースステーションに搬入された。同階を担当する看護師は、平日の日勤で5~6人、休日の日勤で3人。夜勤は平日休日ともに2人だった。17日は休日で、搬入当時は看護師が3人しかおらず、人手が少なかった。
一方、八巻さんらは最後に点滴が交換されてから5~8時間後に容体が悪化した。滴下の速度を調整した可能性があり、捜査関係者は「素人の芸当ではない」と指摘する。
■無差別の可能性
ただ、現状では容疑者の絞り込みには至っていない。
八巻さんらに投与された点滴は4階のナースステーションで保管されていたが未使用分の約10袋にも穴が確認された。点滴治療が必要な患者を無差別に狙った疑いがあり、恨みなど動機による容疑者の特定は難しい。院内には当時、防犯カメラがなく、ステーションへの不審者の出入りを把握するのも容易ではない。
大口病院をめぐっては、事件前の7~9月の3カ月間に、八巻さんらと同じ4階に入院していた患者48人が死亡していたことも判明した。同じ日に5人が亡くなったこともあった。高橋洋一院長は「確かに(死亡者が)『多いかな』という印象で、院内感染を疑った」と説明している。
捜査本部は、別の被害者が埋もれている可能性も否定できないとして、過去の診療記録などを精査。ただ、すでに全遺体が火葬されているため、犯罪の立証は難しいとみられる。
■見過ごされたサイン
大口病院では事件前、看護師の服が切り裂かれたり、職員のペットボトル飲料に漂白剤のようなものが混入されるなどの不可解なトラブルが相次いだ。
横浜市には7月と8月、病院関係者とみられる人物からメールが届いたが、実際に対応したのは9月2日の定期検査時。当日も警察に相談するように促すにとどめた。
市医療安全課は「通報するかどうかは病院の判断に委ねられる。できる範囲での対応はした」と釈明する。
病院側も有効な対策を講じた形跡はない。トラブル発覚後も職員に聞き取り調査を実施するだけで、警察への連絡はなかった。
重大な予兆が見過ごされ、事件を招いたのではないか-。市は近く、病院への臨時立ち入り検査を実施し、第三者による検証委員会設置も視野に入れて再発防止策などを議論する。
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