16/08/14 13:53:22.95 84PdSjDB0.net
元の水準が完全雇用以下であれば、リフレ政策をしてもしなくとも
同じことになります。
人々の暮らし向きも同じ水準です。
もしも最適雇用量が完全雇用水準にとどまるとしたならば、
実質賃金はリフレ政策発動前よりも低くなければなりません。
すなわち名目賃金の上昇は2%以下でなければならないのです。
以上より明らかなように、リフレ派の理屈に従えば、「リフレ政策によって
実質賃金は下落する」と結論づけられるのです。
すなわちリフレ政策を実施すると人々の暮らし向きは
悪化することになってしまいます。
一言で言えば、リフレ政策は「雇用量と実質賃金のトレード・オフ関係」に
立脚したものであり、リフレ派の理屈からは雇用増と実質賃金上昇という
二兎を追うことはできないのです。
その論理構造は、新古典派の雇用量と実質賃金の関係を、
ケインズ的な労働市場に当てはめているに過ぎません。
リフレ派は人々の期待を変えれば実物的要因(今回の場合は雇用量)に
影響を及ぼすことが可能であると論じています。
しかし、その対象とする「人々」が新古典派およびその後継の学説である
「新しい古典派」の想定する合理的経済人の場合、リフレ派の論理は通じません。
特に、最新の経済モデルや統計データに基づいて合理的期待を形成する
「超」合理的経済人には全く歯が立ちません。