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人質テロ イタリア人を標的か 時間かけ惨殺
【ローマ福島良典】バングラデシュの首都ダッカで起きた人質テロ事件で犠牲となった
イタリア人の遺体がローマで司法解剖された。人質は時間をかけて惨殺され、
一部は刃物で手足なども切断されていたことが明らかになった。
イタリアは、過激派組織「イスラム国」(IS)が拠点の一つとするリビアへの介入姿勢
を強めていることから、イタリア国民が報復の標的にされたとの見方が浮上している。
犠牲になったイタリア人9人の遺体は6日、ローマ市内の病院で司法解剖された。
7日付コリエレ・デラ・セラ紙によると、イタリア捜査当局は、武装集団が人質をただち
に殺害するケースの多い中で、今回は殺害に時間をかけている点などに注目しているという。
テロや軍事情勢に詳しいイスラエルの民間サイトは今回の事件について、旧植民地の
リビアで特殊部隊を展開中とされるイタリアが標的とされたと分析。ISがリビアから地
中海経由でイタリアにテロ実行犯を送る代わりにダッカ駐在のイタリア人を狙ったとの
見方を示している。
ISのバングラデシュ支部は事件直後の2日、「イタリア人を含む(対IS有志国連合の)
十字軍兵士を殺害した」との声明を発表。ダッカでは昨年9月にもオランダのNGOスタ
ッフのイタリア人男性が射殺され、IS系団体が「西洋人を殺害した」と主張していた。
毎日新聞 2016年7月8日