16/06/16 15:50:28.99
>>1より
■「国際交流の懸け橋になった時は、すごい力になると思う」
「Minami こども教室」の設立や取り組みについて、子供たちの多くが通う大阪市立南小学校校長の山崎一人さん(61)に聞いた。
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2012年の4月にこの学校に赴任しました。来たばかりの入学式の直後、フィリピン人の母親が、入学したばかりの6歳の
男の子ら2人の子供と無理心中を図った事件があったんです。男の子は亡くなりました。これが教室のきっかけになっています。
入学式では、みなすごく喜んでるって思ったんです。そのお母さんも、満面の笑みで我が子をタブレットで撮ってはったんです。
でも、その1週間後に心中事件がありました。検証結果では、文化や習慣、言葉に慣れないことが理由だと言われましたが、
正しいことは分かりません。ただね、後から聞いてみると、一番大事にされていたタブレットを盗まれたんですよ。
写真やいろんなデータも入っていた。心中事件の前日だったかな。それが引き金になったんでしょう。
関西は同和教育の中心でもあり、私も教師になって最初に同和教育推進校に赴任しました。
南小学校に来ると、外国人の問題も状況は同和問題とよく似ていると感じました。
背景を探って課題を見つけ、「多文化共生の学校作り」をすることが最大のテーマだと思いました。
大阪は以前から在日韓国・朝鮮人も多いです。違いを明らかにし、そこで互いが認め合う、違いが分かることで
豊かさを得ようという土壌がありますし、それが本校の特色です。ただし理念はそうですが、現実問題として学力の
改善は大変で、教員はとても疲れていました。子どもたちは、日本語がしゃべれても学習に必要な用語が理解できず、
学力向上が図れないんです。
学校だから学力問題が中心で、成果を上げないといかんのは確かです。でも、教育はすぐに数値には出ないものでしょ。
子供たちの学力を上げようと思って、家庭学習をなんぼいうてもやってこない。できないんですよ。親に音読して聞かせて
と言っても、親が理解できないんです。親は仕事に出て、子供を1人ぼっちにしてしまうから、生活習慣も改善してくれない。
そこで学校と地域、外国人支援団体がスクラムを組んで、「こども教室」を始めることにしました。
現在、登録している子供は約40人いますが、教室に来るのは23人くらい。指導するボランティアは50人で、
夜、家への送りだけ手伝ってくれる人もいます。
ミナミでは、バブル期から(歌手やダンサー向けの)興行ビザでフィリピン人が多く入ってきたんです。
そのフィリピン人の女性たちと日本人男性との間に生まれた子は「JFC(ジャパニーズ・フィリピーノ・チルドレン)」と
呼ばれています。外国人は2000年ごろから増え、貿易商や料理店経営者の人たちもいます。
学力や生活で二極化が進んでいます。
いま高校2年生になるフィリピンの男の子は、小学生のとき、ものすごく学力が低かったんです。
でも将来、調理人になりたい、高校に行きたいと言っていて、「こども教室」で勉強させました。
そして合格発表の日、「高校通りました」って喜んで来たんです。私も担任も、みな大歓声でした。
それぞれの子が伸びているなと実感しています。「この子らは宝や」と思います。異文化でものすごく厳しい
状況や貧困家庭で育っています。だから、国際交流の懸け橋になった時は、すごい力になると思うんですよ。
その道筋をつけてあげたいです。そして我々はプロの教師として、自覚を持たなアカンと思います。(了)