16/05/31 17:57:19.45 AkIObbWdx.net
首相官邸公式【安倍総理発言】
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株式市場の下落により、世界では、この1年足らずの間に1500兆円を超える資産が失われました。
足元では幾分か回復し、小康状態を保っていますが、不透明さは依然残っており、世界的に市場が動揺しています。
それは何故か。最大のリスクは、新興国経済に「陰り」が見え始めていることです。
今世紀に入り、世界経済を牽引してきたのは、成長の活力あふれる新興国経済です。
リーマンショックによる経済危機が世界を覆っていた時も、景気回復をリードしたのは、
堅調な新興国の成長。いわば、世界経済の「機関車」でありました。しかし、その新興国経済が、
この1年ほどで、急速に減速している現実があります。
原油を始め、鉄などの素材、農産品も含めた商品価格が、1年余りで、5割以上、下落しました。
これは、リーマンショック時の下落幅に匹敵し、資源国を始め、農業や素材産業に依存している
新興国の経済に、大きな打撃を与えています。
成長の糧である投資も、減少しています。昨年、新興国における投資の伸び率は、リーマンショック
の時よりも低い水準にまで落ち込みました。新興国への資金流入がマイナスとなったのも、
リーマンショック後、初めての出来事であります。
さらに、中国における過剰設備や不良債権の拡大など、新興国では構造的な課題への
「対応の遅れ」が指摘されており、状況の更なる悪化も懸念されています。
こうした事情を背景に、世界経済の成長率は昨年、リーマンショック以来、最低を記録しました。
今年の見通しも、どんどん下方修正されています。
先進国経済は、ここ数年、慢性的な需要不足によって、デフレ圧力に苦しんできましたが、これに、
新興国の経済の減速が重なったことで、世界的に需要が、大きく低迷しています。
最も懸念されることは、世界経済の「収縮」であります。
世界の貿易額は、2014年後半から下落に転じ、20%近く減少。リーマンショック以来の落ち込みです。
中国の輸入額は、昨年14%減りましたが、今年に入っても、更に12%減少しており、世界的な需要の
低迷が長期化するリスクをはらんでいます。