【パナマ文書】租税回避のグレーゾーンで試される日本企業のガバナンスat NEWSPLUS
【パナマ文書】租税回避のグレーゾーンで試される日本企業のガバナンス - 暇つぶし2ch2:ちゃとら ★
16/05/31 00:35:46.93 CAP_USER9.net
>>1
■ヤフー事件とIBM事件
日本でも増加している租税回避
 米国のグーグル本社は、アイルランドに2つの法人(子会社Aと子会社B)を設立し、米国本社はA社に自らの持つ無形資産の米国外事業への展開を許可するライセンスを譲渡する。
A社はこれをB社にサブライセンスし、B社がこのライセンスを利用して、米国外でグーグルのオンライン広告事業などを行い、収益を得る。
 BからAへのロイヤルティの支払いはオランダに設立したC社を介するので、資金の流れはB社からC社へ、さらにC社からA社へとなる。
A社は登記こそアイルランド法人だが、株主総会や取締役会などの事業活動は英領バミューダで行うので、アイルランド法制ではバミューダ法人となり、アイルランドでは課税されない(管理支配主義という)。
この結果、このスキームの所得は課税されないままバミューダ法人に留保されることとなる。
 このようなスキームは、本来米国のタックスヘイブン対策税制によって課税されるのだが、米国の会社法制(パススルー事業体)をうまく活用して、
アイルランドの会社は事業実態があることとなり、タックスヘイブン対策税制を免れるのである。
◆図:Double Irish with Dutch Sandwich
URLリンク(diamond.jp)
著者作成
 グーグル、アップル、フェイスブックなどそうそうたる米国IT企業は、このようなスキームで米国外の事業から得られる所得をタックスヘイブンに溜め込んでいる。
どこの国の法制も違反していないし、租税条約上の違反もない(拙著『税で日本はよみがえる』(日経新聞出版社)に詳細説明)。
 このような租税回避はわが国でも増加し、大きな問題となっている。直近の代表事例は「ヤフー事件」と「IBM事件」である。
 前者は子会社の損失を組織再編することによって自社に取り込む取引で、
後者は日本IBMの親会社(日本法人、中間会社)が米国IBMから資金提供を受け、米国IBMの持つ日本IBM株を購入し、それを子会社の日本IBMが買い取り、
自社株買いを活用して生じた譲渡損失を自社の利益と相殺することにより、税負担の軽減を図る取引である。
どちらも損失を「合法的に」利用することにより、自らの利益と相殺させて税負担の軽減を図る点で共通している。
 国税当局はこのような行為に対して、法人税法に規定されている同族会社の行為計算の否認規定(法人税法132条)と、
組織再編にかかる行為計算の否認規定(法人税法132条の2)を適用して、どちらの行為も否認をしたが、納税者側は納得せず裁判になった。
 その結果ヤフー事件の方は、一審(東京地裁平成26年3月18日判決)、二審(東京高裁平成26年11月5日判決)、最高裁(平成28年2月29日判決)と国税当局が勝訴した。
逆にIBM事件の方は、一審東京地裁(平成26年5月9日判決)、二審(平成27年3月25日判決)、最高裁(平成28年2月18日国の上告不受理)と納税者勝訴となった。
 2つの事件を判断する法律の条文は、どちらも「法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められる」かどうかで、同じ文言である。
 双方は事実関係が異なるので単純な比較はできないが、最高裁は「不当」の判断基準として、
ヤフー事件では「取引が経済的取引として不合理・不自然である場合」と、
「法律の趣旨・目的に反することが明らかである場合(いわゆる法の濫用)」の2つを上げ納税者敗訴となったのに対し、
IBM事件では前者の基準だけで、濫用基準は採用せず納税者勝訴となった。
 このように、法律上の文言が同じにもかかわらず異なった解釈がなされたことは、
わが国企業の経済取引の不確実性を高め、大きな税務リスクを生じさせており、立法的な解決が必要なである。
つづく


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