【教育】文科省が教材とする「江戸しぐさ」は、なぜ道徳教材に残り続けるのか? 専門家は「偽りの伝統」と批判 ★3at NEWSPLUS
【教育】文科省が教材とする「江戸しぐさ」は、なぜ道徳教材に残り続けるのか? 専門家は「偽りの伝統」と批判 ★3 - 暇つぶし2ch2:蝙蝠傘子 ★
16/04/07 00:01:01.83 CAP_USER*.net
>>1続き 
■江戸しぐさは「創作物」取り巻く陰謀論
文科省の教材によると、江戸しぐさは、江戸に集まった様々な人たちがお互いに仲良く平和に暮らしていけるようにと商人の考えを元に、広まった生活習慣だという。これを今に生きる知恵として役立てようという動きがある。
江戸の町には、全国から文化や習慣のちがう人たちが集まってきました。そのため、様々な人たちがおたがいに仲良く平和に暮らしていけるようにと、大きな店の商人たちは、当時、「商人しぐさ」と呼ばれていたものを広めていこうとしました。(中略)この「商人しぐさ」が元になり、江戸の町に広がっていった生活習慣を「江戸しぐさ」と呼ぶようになったと言われています。(「私たちの道徳」より)
ところが、これを裏付ける証拠は示されていない。
「江戸しぐさの正体」などで知られる在野の歴史研究家、原田実さんはこう話す。「文科省の教材に書かれていることを裏付ける史料はありません。それも当たり前で『江戸しぐさ』自体が、れっきとした創作物。それも1980年代に作られたもの。偽りの伝統と呼ぶべきものなのです」
原田さんによると、江戸しぐさを創作したのは、科学雑誌の編集長や企業コンサルタントなどを務めたとされる故・芝三光(しば・みつあきら)さん。芝は「江戸の良さを見なおす会」なるサークルの中で、独自の研究成果を発表していた。江戸しぐさもその一つだった。
「いまの社会はダメで、それに比べて江戸は良かったという論法で語っていることがポイントです。芝が良かったとする江戸とは、史料に基づく現実の江戸ではなく、彼が理想とした想像上の江戸。現状への憂いから、過去を理想化していきました」
例えば江戸しぐさの代表格で、文科省の教材でも使用されている「傘かしげ」。雨中、すれ違うときに相手を濡らさないため、傘を傾けるしぐさのだが……。
当時、和傘は高級品でそもそも、江戸では普及自体が遅れていた。そんな江戸ですれ違うときに特殊な「しぐさ」が必要だったのか。浮世絵に描かれているように、和傘はすぼめやすいのだから、すれ違うときにすぼめればいいだけではないか。
「洋傘が普及した現在の視点で、考えられた江戸だからこそ、こんなおかしな話がでてくるのです」(原田さん)
江戸しぐさのおかしな点は、もっと根本的なところにもある。そもそも、江戸の町民に広く普及したというのに、なぜ1980年代まで知られていなかったのか。
「江戸しぐさを普及する人たちの主張は主にこうです。明治政府による江戸っ子狩りがあり、さらに国家総動員法で、残された隠れ江戸っ子が戦争に行って、帰ってこなかった。もともと、江戸しぐさ自体が江戸っ子の秘伝だったという説明も加わります。明治政府や戦争を持ち出し、つじつまを合わせるための陰謀論を繰り広げるのです」。そう話す原田さんは呆れ顔だ。
芝の没後、系譜を引く普及団体NPO法人「江戸しぐさ」によって一大ブームになっていく。メディア露出も増え、冒頭に取り上げた公共広告機構のCMにもなり、2014年には文科省の道徳教材に登場。各教科書会社も取り上げ、教育の世界にも浸透していった。
ところが、原田さんを筆頭に研究者による批判が強まり、教科書会社も江戸しぐさについて、項目を差し替える動きが広まっている。
(※続く) 


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