16/01/16 11:58:35.81 L+dFgfOj0.net
>>97
それ、人間の浮生なる相をつらつら観ずるに、凡そはかなきものは、
この世の始中終、幻の如くなる一期なり。
されば未だ万歳の人身を受けたりという事を聞かず。
一生過ぎ易し。今に至りて、誰か百年の形体を保つべきや。
我や先、人や先、今日とも知らず、明日とも知らず、おくれ先だつ人は、
本の雫・末の露よりも繁しといえり。
されば、朝には紅顔ありて、夕には白骨となれる身なり。
既に無常の風来りぬれば、すなわち二の眼たちまちに閉じ、
一の息ながく絶えぬれば、紅顔むなしく変じて桃李の装を失いぬるときは、
六親・眷属集りて歎き悲しめども、更にその甲斐あるべからず。
さてしもあるべき事ならねばとて、野外に送りて夜半の煙と為し果てぬれば、
ただ白骨のみぞ残れり。あわれというも中々おろかなり。
されば、人間のはかなき事は老少不定のさかいなれば、誰の人も、
はやく後生の一大事を心にかけて、阿弥陀仏を深くたのみまいらせて、念仏申すべきものなり。
あなかしこあなかしこ