15/11/06 05:48:50.35
>>1より
■結論部分の要約
まず結論を紹介したい。図1「米中軍事スコアカード」が結論であるが、
一言で言えば「2017年の時点ではまだ米国の軍事力が全般的な優位を保持するであろう。
しかし、中国本土に近い台湾紛争シナリオでは厳しい状況になり、人民解放軍(以下PLAと記述する)の
航空基地攻撃能力や対水上艦艇攻撃能力が米軍に対して優位となる。
中国本土から遠いスプラトリー諸島紛争シナリオでは米軍が全般的に優位である」ということである。
その他の結論は以下の諸点である。
●PLAは、1996年以来、長足の進歩を果たし、全般的にPLAが米軍との能力差を縮小させている方向だが、総合的な能力
において米軍事力に追いつくまでには至らない。しかし、中国本土近傍を支配するためだけであれば米軍に追いつく必要はない。
●PLAは、紛争の初期において一時的および局所的な航空優勢と海上優勢を確立する能力を有する。
特定の地域紛争におけるこの一時的および局所的な優勢により、PLAは米軍を撃破することなく限定的な目的を達成できるであろう。
●戦場までの距離と地形は米中双方の緊要な目標達成に重大な影響を与える。
中国本土に近くなればなるほど米国に不利となり、米国の軍事行動に対し大きなマイナスとなる。
●中国の戦力投射能力*1は低いままであり、米国は中国沿岸から遠く離れた地域におけるシナリオではより決定的な優位性を維持している。
PLAの事態対応能力と戦闘に勝利する能力は、戦闘機およびディーゼル潜水艦の無給油での行動半径を超えると急速に低下する。
中国から長距離離隔した作戦は常に中国にとって不利に働く。
●しかし、中国の戦力投射能力は向上していて、中国沿岸から離れた地域における相対的戦闘力は変化しつつある点に注意が必要である。
●日本にとって深刻なのは中国の準中距離弾道ミサイル(「DF-16」射距離1000キロ、「DF-21C」射距離2500キロ)で、
在沖縄米軍基地のみならず日本の全体を射程内に収めることができる。
なお、図1は米中軍事スコアカードの全体像を示すが、緑色が濃くなればなるほど米軍が有利であり、黄色は米中互角、
肌色は中国有利を示している。この図でも明らかなように、米軍には台湾シナリオよりもスプラトリー諸島シナリオの方が有利である。
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*1=戦力投射能力(power projection capability)は、軍事力を海外に展開し作戦する能力で、
空母や長距離輸送機などが典型的な装備品である。
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(以下略)