15/11/04 22:46:13.21
>>1より
沖縄のリーダーである翁長知事が国連人権理事会で演説したことは、それを国際世論に印象付ける布石となった。
これは中国にとっても都合がいい理論である。仲村氏は「先住住民族の権利が認められると、
米軍の駐留は琉球民族への差別ということになる。沖縄の土地も尖閣の油田も琉球民族のものとなり、
日本の権利を否定できる。そこで『琉球民族の独立を支援する』と言って、人民解放軍を沖縄に
上陸させれば、すべて中国のものになる」と懸念する。
翁長知事は、自分の行動が尖閣ひいては沖縄を狙う中国の戦略に、着々と組み込まれていくのを
自覚しているのだろうか。本人は純粋に「反基地」の情熱で動いているのだとしても、
現在の沖縄を取り巻く国際情勢では、反基地派は必然的に中国の「駒」に仕立て上げられてしまう。
集団的自衛権の行使を可能にする安保法制の反対派も同様だ。8月末には12万人と称する反対派が
「戦争させない」と記されたプラカードを掲げて国会を包囲したが、この中の何人が尖閣危機の
存在を理解しているのか、疑問に思う。
石垣市議会は7月、安全保障関連法案の今国会成立を求める意見書を与党の賛成多数で可決した。
意見書では、市の行政区域である尖閣諸島海域で中国公船の領海侵犯が日常化している状況などを挙げ
「平時からあらゆる事態に対処できる切れ目のない法制を整備する必要がある」と指摘した。
衆院平和安全法制特別委員会が7月に那覇市で開いた参考人質疑でも、石垣市の中山義隆市長と
南城市の古謝景春市長が安保法制賛成の意見を述べた。
これに関し、安倍晋三首相は7月の参院平和安全法制特別委員会で「石垣市のご意見を真摯に
受け止める必要がある。永田町では感じ得ない、肌感覚の危機感を彼らは持っている」と述べ、
国境の島々が直面する脅威に理解を示した。
だが率直に言って、石垣市民の私から見ると、安保法制の成立を願う住民の声はまだまだ本土に
届いているとは言い難い。それどころか沖縄本島にさえ届いていない。
沖縄県議会は8月、安保法案の廃案を求める意見書を賛成多数で可決。県紙「琉球新報」は9月1日付
で「沖縄の声は安保法廃案だ」と題する社説を掲載した。
「沖縄戦体験や過重な基地負担の苦悩に照らしても、安保関連法案の即刻廃案が県民の声である」
「『戦争法案』の成立を急ぐ安倍政権に県民は強い危機感を抱いている」
「県民の4人に1人が犠牲となった沖縄戦から70年を経た今なお、戦禍で負った心身の傷は癒えたわけではない。
平和を求める沖縄の心の原点に沖縄戦がある」
「安保関連法案の成立を拒否する県民意思はこのような体験と教訓に基づくものである。
集団的自衛権は憲法上行使できないという歴代の政府見解を覆した安倍政権への危機感と憤りは党派を超える」
この社説は、石垣市議会の意見書を完全に無視しているし、意見書が訴える尖閣危機にも何一つ触れていない。
石垣市長や南城市長が安保法制に賛成であることも黙殺している。
「県民は保守、革新を問わず辺野古移設に反対」という意味の「オール沖縄」という言葉が県紙を
賑わしているが、この社説は「辺野古移設や安保法制に賛成する奴は県民ではない」という排除の
論理によって「オール沖縄」が成り立っていることを如実に示している。
県紙は、国会での多数決で安保法制の成立を進める安倍政権に対し「少数意見の無視だ」と批判しながら、
県内で安保法制の成立を訴える声は「少数意見」として圧殺。見事なダブルスタンダードだ。
安保法制反対の殺し文句は「県民の4人に1人が犠牲となった沖縄戦」だが、本来、尖閣危機は、
放置すればそのような悲劇につながりかねない最大の懸念要因である。県紙は自らの主張が矛盾
だらけであることに多少の自覚は持つべきだろう。
だが残念なことに、沖縄で奇妙な論理を振りかざすマスコミは県紙だけではない。
八重山日報と同じく尖閣の地元紙である「八重山毎日新聞」も例に漏れない。
ライバル紙のことをあまり言いたくはないのだが、8月28日に掲載された社説
「保革超えて自衛隊阻止を」には度肝を抜かれた。
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