【マニラ発】中国主導のAIIBと日本主導のADBを比べてわかること [10/23]at NEWSPLUS
【マニラ発】中国主導のAIIBと日本主導のADBを比べてわかること [10/23] - 暇つぶし2ch2:◆CHURa/Os2M@ちゅら猫φ ★
15/10/23 18:26:18.82
>>1より

■ADBには「野党」アメリカがいるが、AIIBはどうか

日本がADBに大きな影響力を及ぼしていることは言を待たないが、ADBが全くもって「日本の銀行」である
というわけではない。朝日新聞の報道によると、ADBが資金協力した工事などの契約を日本企業が
受注した割合は、0.21%(2013年)にすぎず、中国企業の受注率20.9%に遠く及ばない。

日本とアメリカがそれぞれ出資比率15.7%と15.6%を占め(2014年末現在)、ADBの二大出資国となっている
(得票権はそれぞれ12.8%と12.7%)。前アジア開発銀行研究所長、現・東大教授の河合正弘氏によると、
アメリカはADBの組織的非効率性を指摘したりと、組織内で長年「野党の役割」を果たしてきたという。
さらに、日本はADBを使って独自の目的を達成するというよりは、アジアの国際公共財
(筆者注:国際的に利用可能な財やサービスを意味する)を提供してきた、と河合氏は分析している。

それに対し、中国のAIIBに対する出資比率は30.34%に上り、現時点で一定の拒否権を確保しているため、
「中国の銀行」になるおそれが拭いきれていない。また、途上国・新興国の出資比率はADBで40%以下
である一方、AIIBでは70%に達し、ヨーロッパ各国の意見が単独では反映されないため、AIIBの成否を
懸念する見方がある。例えば、アフリカ開発銀行は当初、地域内メンバー、つまり途上国にしか開かれて
いなかったが、運営がうまくいかず、結局多くの先進国を受け入れることになった。

人事の観点からはどうだろうか。ADBは設立から現在に至るまで、9代とも日本の財務(大蔵)や日銀の
幹部経験者が独占してきた。日本人がこのポストを握り続けてきたことに対して一部に不満や批判はあるが、
日本が低所得国向けのアジア開発基金(ADF)に圧倒的な貢献をしてきたことが考慮され、
加盟国の間で日本人総裁に対するノーの声は大きくならなかった。同様に、今でも予算・人事を
統括するような鍵となる幹部ポストには日本人がついている。

AIIBは今、世界中で専門の人材をリクルートしており、ADBからAIIBに移る職員もいるようだ。
しかし、ADBの人事担当者は「大規模な移動は起きておらず、心配していない」と話す。

■運営方法が「20年前と変わらない」ADBの問題点

1966年の設立後、ADBは最初のプロジェクトを選ぶにあたって1年以上の時間を費やし、
タイの産業金融公社に融資することを決定した。この公社は2004年に商業銀行と合併するまで
単独で運営を続けており、ADB の融資は少なくとも短期的で利益を度外視したものでなかったことが分かる。
対照的に、AIIBは2016年の第二四半期にも融資を開始するという報道があり、そのスピードの速さが際立っている。

AIIBの初代総裁に選出されている金立群氏は今年9月、最初のプロジェクトが道路や電力セクター等になる
可能性を初めて示唆した。中国では、ADBなど既存の多国間開発銀行はプロジェクト実行までのスピードが
遅いという批判が根強い。多くのADB職員は自分達の組織が非常に官僚的であることを認めている。
あるADBの人事担当者は、「運営の仕方は20年前と変わっていない」と言った。
ADBで副総裁として働いたこともある金立群氏は今年4月、シンガポールでフォーラムに出席した際、
「AIIBで21世紀型のマネジメントを目指す」と意気込んだ。

ただし、AIIBの規約をADBのそれと比べると、AIIBがADBを参考にしていることがよく分かる。
フォーマットがそっくりで、いくつかの条項にいたっては一言一句同じだ。

AIIBはその目的として「コネクティビティ=連結性」を掲げている。これは中国外交が近年周辺諸国で強調
しているキーワードであり、この国の地域戦略が見え隠れする。すでに動き出そうとしているプロジェクトには、
中国-パキスタン経済回廊、スリランカの港湾支援、雲南省昆明を起点とする東南アジアでの高速鉄道
網構想などが挙げられる。

>>3


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