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◆中国の科学者がヒト受精卵に遺伝子操作 欧米で激しい論争に
中国の科学者がヒト受精卵に世界初の遺伝子操作─
タブーを冒したこの実験について、欧米では学術誌からマスメディアまで、
その是非をめぐり大論争となっている。
世界を驚愕させたその実験は今年4月に生物学・生物医学の学術誌
「プロテイン&セル」に掲載された論文で明らかになった。
中国広東省にある中山大学の黄軍就副教授らの研究チームが
ヒト受精卵の「ゲノム編集」を行ったというのだ。
ゲノム編集とは何か。サイエンスライターの島田祥輔氏が解説する。
「ゲノムはあらゆる生物がもつ、いわば設計図です。
物の身体を料理に例えるとゲノムはレシピにあたり、
そこに書かれた情報を基に生物のかたちができあがる。
ゲノム編集とは、人為的にこのレシピを書き換えることで
生物のかたちを変える技術の一種です。
従来の遺伝子組み換えより簡単で、成功率の高い優れた技術です」
ゲノム編集の有益性は高く、農作物の品種改良や新薬の開発、
遺伝子治療など様々な分野に応用できる。
米国ではHIVに感染したヒトの体細胞からウイルスを取り除く
臨床研究が始まっている。
今回の実験が問題視されたのは、世界で初めてヒト受精卵に
ゲノム編集を施したからだ。
欧米ではタブー視される行為であり、激しい論争を巻き起こした。
なぜ、ヒト受精卵のゲノム編集は問題なのか。
目や髪の色、筋肉の質や量などの遺伝的特質を人為的に操作して
「設計