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心理学の研究結果、6割以上が再現不可能 検証調査
【8月28日 AFP】人がどのように行動したり思考したりするかに関する科学的研究は、外部
専門家らによる研究結果の再現が不可能なものが多いとの研究報告が27日、発表された。
心理学研究の信頼性に関する新たな疑問を浮上させる結果だという。
?科学者270人からなる研究チームは、2008年に米国の主要査読学術誌3誌に発表された
心理学と社会科学の研究論文100件について、その結果の再現を試みた。
?米科学誌サイエンス(Science)に発表された調査結果によると、元の研究論文と同じ
結果が得られたのは、全体の39%にすぎなかったという。
?調査対象論文の研究テーマの範囲は、人々の社会生活や他者との交流から、知覚、意識、
記憶などに関する研究までに及ぶものだった。
?サイエンス誌の編集主任を務める心理学者のギルバート・チン氏は「今回のいささか
落胆させられる結果については、各学説の妥当性や虚偽性に直接言及するものではないことに
留意する必要がある」と話す。しかし、その一方で「今回の結果が実際に示しているのは、
原著論文の実験結果の多くに関して、それほど信頼を置かないようにするべきということだ」
とも指摘した。
?論文共同執筆者の米バージニア大学のブライアン・ノセック氏によると、科学者らが常に
自らに問いかける必要があることを、今回の研究は示しているという。
?ノセック氏は、記者会見で「科学的な主張が信用できるものとなる根拠は、それを生み出した
人の地位や権威ではない」と述べ、「科学的主張の信頼性は、その主張の根拠となる証拠の
再現性に部分的に依存している」と語った。
?問題が生じる恐れがあるのは、科学者らが「有意」と考えられるもののみを含めるために
自説に都合の良いデータだけを選び出す場合や、研究規模が非常に小さいために偽陰性や
偽陽性が発生する場合などだ。
?ノセック氏によると、科学者らは自身の研究成果を主要学術誌に定期的に発表する必要に
迫られており、このプロセスが実態の歪曲(わいきょく)につながる可能性があるという。
「研究していることすべてが発表に至るわけではない。新規性があり、肯定的で、整然とした
結果が査読を通過する可能性が高く、これは、自説にそぐわない否定的な結果や研究を
除外するという発表の偏向につながる恐れがある」とノセック氏は説明。そして「これが
大規模に行われると、発表される文献が実態より見栄えの良いものになる可能性がある」
と続けた。(c)AFP/Kerry SHERIDAN
AFPBB news 2015年08月28日 13:13 発信地:マイアミ/米国
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