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野上のリポートには、他にも興味深いエピソードが数多く出てくる。
例えば、安倍の成蹊大学時代の恩師のこんな言葉だ。
「安倍君は保守主義を主張している。思想史でも勉強してから言うならまだいいが
大学時代、そんな勉強はしていなかった。
ましてや経済、財政、金融などは最初から受け付けなかった(後略)」。
では、安倍の保守思想はどこから来たのか。
よく言われるのが、幼い頃、祖父の岸信介邸に押しかけた安保反対デモの中で
「おじいちゃんは正しい」との思いを心に刻んだという話だ。
野上氏のリポートには、これに加えて、家庭教師だった平沢勝栄(現自民党代議士)に連れられて
東大の駒場祭に連れて行かれた時の話が出ている。
当時は佐藤(栄作)内閣で学生運動が盛んな時期だった。
駒場のキャンパスも「反佐藤」の展示や看板で溢れていた。
そんなムードに、安倍は学生運動=「反佐藤」「祖父の敵」を感じたという。
このすりこまれた「左翼=身内の敵・おじいちゃんの敵」という生理的嫌悪感が
今も辻元らを相手にすると頭をもたげ、ついムキになってしまうということらしい。
国会答弁も、保守的な政治スタンスも結局、ようは小学生の幼稚なメンタリティの延長……。
こんな薄っぺらい男の薄っぺらい考えによって、日本はアメリカに引きずられていくのだろうか。