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★イスラム国とアサド政権が共同作戦
さらに深まるシリア内戦の複雑怪奇
反政府勢力にアルカイダ系の「ヌスラ戦線」 支援に二の足を踏むオバマ政権
2015年06月05日(Fri) 佐々木伸 (星槎大学客員教授)
中東では信じられないようなことが起こることは、長年この地域の情勢をウオッチ
してきた者にとっては珍しいことではない。この“疑惑”もそうした類いの話なの
かもしれない。内戦中のシリアのバッシャール・アサド政権と過激派組織
イスラム国(ISIL)が裏で手を結び、反政府勢力つぶしに協力し合っているというのだ。
劣勢が伝えられていたイスラム国は5月、イラク西部のアンバル州の州都ラマディ、
シリア中部の世界遺産都市パルミラを相次いで制圧。これまで死んだふりをして
いたのではないかと思われるほどの攻勢ぶりを示し、オバマ米政権を慌てさせている。
そうした中で今度は6月初めから、政府軍と反政府勢力が激戦中のシリア最大の都市、
北部のアレッポに向けて進撃を開始、反政府勢力を背後から攻撃している。
◆悪魔とも手を結ぶアサド政権とイスラム国の共同軍事作戦
イスラム国はこれまでのところアレッポ北東の数カ所の村落を制圧、
アレッポとトルコ国境の間に位置する戦略的な要衝、アザズの攻略に集中している。
アザズはトルコからの反政府勢力の補給路の拠点で、「イスラム国がこの町を制圧すれば、
アレッポの支配権を得ることになる」といわれる重要な町だ。
問題は、このイスラム国の攻勢に、アサド政権が手を貸している疑惑が濃厚になっている点だ。
反政府勢力などによると、まずシリア政府軍の戦闘機が反政府勢力の陣地を攻撃、
さらに長距離砲で砲撃した後に、イスラム国の戦闘員が進撃するという「明らかな共同軍事作戦」だ。
反政府勢力の指導者は「アサドは戦闘機をイスラム国の空軍として配備している」と非難、
閉鎖中のシリアの米大使館もツイッターで、政府が同組織を支援しているのではないかと強く批判した。
両者が協調するのは、反政府勢力を弱体化ないしは排除することが互いの利益になるからだ。
アサド政権はイスラム国に対抗し得る唯一の正当な勢力であると主張できるし、
イスラム国側も“領土拡大”という果実を手に入れることができるからである。
元々、アサド政権とイスラム国が裏でつながっているといううわさは絶えなかった。
実際、イスラム国はシリア軍に対して、石油を大量に密売していることが分かっている。
前線を超えてイスラム国のタンクローリーがシリア軍側に出入りするところが日常的に目撃されている。
またイスラム国は占領した発電所からの電気もシリア軍に売っていることも知られている。
今回、軍事行動で協調している疑惑が濃厚になったことについて、ベイルートの情報筋は
「アサド政権は生き残るためには悪魔とも手を結ぶだろう」と指摘している。 >>2へ続く
URLリンク(wedge.ismedia.jp)
※過去のスレッド(DAT落ち)
【国際】イスラム国の原油を買っているのは「アサド政権」だった!
スレリンク(newsplus板)
2:◆CHURa/Os2M@ちゅら猫φ ★
15/06/07 13:15:18.45
>>1より
◆反政府勢力にアルカイダ系の「ヌスラ戦線」 支援に二の足を踏むオバマ政権
アサド政権のこうしたなりふり構わぬ姿勢はそれだけ追い詰められていることの裏返しでもある。
というのも、アレッポ県に隣接する北西部のイドリブ県が最近、「反政府連合」に制圧される
など重要な支配地を失った。加えて中部パルミラをイスラム国に占領されて、同組織が国土の
50%以上を支配するに至り、領土的に相当圧迫を受けていた。
こうした状況に加え、この春から政権内部の亀裂が次々と露呈された。大統領の側近の1人、
ラフィク・シェハデ軍情報部長が3月に解任されたのに続き、長年の忠臣だったルストム・ガザレ
政治治安局長がライバルに殴られたことが原因で死亡した。
さらに大統領のいとこで、ダマスカス県の治安責任者だったハフェズ・マクルーフ氏も
昨年解任されて国外逃亡中だし、これまたいとこのムンゼル・アサド氏は4月、クーデターを
企てたといううわさの中で拘束された。一連のこうした事態について「アサド政権終焉の始まり」
(ベイルルート筋)という見方が強まっており、アサド大統領の危機感が高まっていたのである。
「反政府連合」はアサド政権とイスラム国による共同軍事作戦を撃退するため、オバマ政権に
アレッポに迫るイスラム国を空爆するよう要請しているが、米国は動こうとしていない。
その理由は、この「反政府連合」に国際テロ組織アルカイダのシリア分派「ヌスラ戦線」が
一員として加わっているためだ。テロ組織を利するような軍事行動はしないというのが
米政権の考えだが、イスラム国がさらにアレッポに迫った時、座視するのかどうか。
オバマ大統領が難しい決断を迫られる時は遠くない。(了)