15/06/05 13:38:14.73
>>1より
◆どこから都負担500億円は出てきたか
舛添知事は5月19日公開コラム(URLリンク(gendai.ismedia.jp))の中で
「私が都知事になったとき、新国立競技場の建設については『1500億円の整備のうち、500億円を
東京都が負担することになっている』ということが巷間言われていた」と書いている。
ところが根拠となる文書、たとえば政府と都の協定書はなかった。5月18日に都知事が下村博文文科相
と会談した際、初めて大臣から都の建設費負担の話が出た。そこで建設費負担の話を検討する前に、
都知事は費用の正確な見積りや屋根を付けた完成時期を質したという。それは都知事として当然だ。
そもそも国立競技場は国が100%出資する独立行政法人の資産であって、国策プロジェクトである以上、
国が建設するのが筋だ。「五輪が東京で開かれるから東京都も負担せよ」というなら、少なくとも
計画段階から都が加わっていて、それ相応の理屈と説明、納得感がなければ都民に受け入れられ
ないのは当然である。
東京都はこのプロジェクトにどう関わっていたのか。先の有識者会議の資料をみると、
2012年度の有識者委員名簿には当時の石原慎太郎東京都知事の名前がある。13年度は猪瀬直樹知事、
そして14年度から舛添知事に代わっている。だから、都が国立競技場の建て替えに関わっていなかった、
とは言えない。
そうだとすれば、問題は負担金額と負担するロジック、プロジェクトに対する都民の納得感が重要になる。
500億円の話がどこから出てきたのかについては、舛添知事の6月2日公開コラム
(URLリンク(gendai.ismedia.jp))を読んでいただきたいが、それを読んでも、
下村文科相が「都議会と私の方で直接話をした」という程度で、まったく話はあいまいだ。
500億円もの都税を使う話が「大臣が都議会と話をした」程度で決まるわけがない。
都知事が知らない話なのだ。どこかの国じゃあるまいし、文書もなく都民に情報公開されてもいないような、
いい加減な話で都民の納得感が得られるわけがないのは、まったく明白である。
一方、5月26日公開の舛添コラム(URLリンク(gendai.ismedia.jp))によれば、
下村文科相は5月21日、官邸に安倍晋三首相を訪ねて「都が580億円負担する」という案を説明している。
官邸訪問と金額については、文科相が事実を認めている
(URLリンク(www.asahi.com))。
◆揺れる建設費の見通し
そもそも新国立競技場の建設費はどのくらいと見積もられていたのか。有識者会議に配られた先の
資料によれば、2013年3月時点の原案から同11月には大幅に規模が縮小された。11月案で本体工事は
1413億円、加えて周辺の整備費が372億円、解体工事が67億円で計1852億円だった。
その後、2014年5月の第5回有識者会議で配られた「新国立競技場基本設計(案)説明書(概要版3)」
(URLリンク(www.jpnsport.go.jp))
という資料によれば、概算工事費は本体約1388億円、周辺整備約237億円の計1625億円とされている。
13年11月案より若干減額されているが、実はこの程度の金額では済みそうもない。
舛添知事は6月2日公開コラムで「関係する建設業者によれば、2500億円でも足りない」という見通しを示している。
そうだとすれば、まずは文科省に建設費の見通しを示してもらわないことには、話は前に進まない。
下村文科相は5月26日の参院文教科学委員会で「業者との協議が整い次第、公表すると聞いている」と語り、
6月下旬までに公表する予定だそうだ(URLリンク(www.nikkei.com))。
「…と聞いている」とは、なんとも他人事のような感じである。 >>3へ