15/06/04 13:18:31.22
>>1より
「世界ではクジラが環境保護運動のひとつの象徴になっている。なぜ日本でクジラやイルカを
捕獲し、食する文化が脈々と続いてきたのか。その当事者である日本人、太地町の方々の思いを
無視したメッセージが世界で流されていることがおかしいと思った。双方の立場を踏まえた
リアルな映像を撮らないと、という思いに駆られました」
■様々な問題提起をしたい
これまで約5年にわたり、太地町での追い込み漁の様子や町民の暮らし、反対運動をする
シー・シェパードのメンバー、捕鯨問題にまつわる裁判、IWCの総会なども取材し、撮影してきた。
クジラやイルカの美しさや魅力に、つい目を奪われることもあったという。
そのなかで佐々木監督自身、自問自答を繰り返した。
「5年の間撮影してきたからこそ、わからなくなる。太地町の人にとって捕鯨は伝統であり、
クジラは町の象徴でもあり、400年続いてきた食やクジラにまつわる文化を続けようとしている
にすぎない。その間に日本人がクジラを食べる必要はどんどんなくなり、需要も激減している。
クジラやイルカがダメで、牛や豚は食べてもいい、という線引きは日本人には理解しづらい。
一方牛を神聖な動物として食べない宗教もある。食べない人たちが、自分の価値観を押し付けて
食べる人たちに獲るな、食べるな、と言うのは果たして正しいことなのか」
「でも21世紀、欧米の先進国では、イルカや犬など、人間が身近に感じる動物は食べるべき
ではない、悪しき伝統は排除すべきだ、という意見が大多数を占めている。人間と動物の関係は、
時代とともに変化してきた。非常に難しい問題だと思う」
「私自身も、まだ答えを探しています」
感情ベースの議論ではなく、事態を俯瞰した立ち位置で作品を制作したいという。
「クジラやイルカを獲るべきか否かという問題は、あくまでも入り口。捕鯨問題の向こうにある、
価値観や宗教の違いによる戦い、ネットによる情報拡散やいやがらせの実態、発信の手段を
持たないために届かない弱者の声......。世界中のあらゆる対立の構図や情報発信のあり方に
思いを巡らせてほしい。自分たちが正しいと思うことは、相手にとっても本当に正しいことなのか。
人々の心に様々な問題提起をできる映画にしたい」
■「クジラとともに生きた人々への共感」メッセージ相次ぐ
佐々木監督の挑戦はすでにメディア掲載が相次ぎ、完成前にもかかわらず映画の注目度は高まる一方だ。
A-portには支援者から�