15/05/21 18:27:12.93 q2kW4WrX0.net
ヤクザの世界を表現する言葉に「任侠道」がある。
任侠とは「弱きを助け、強きをくじき、
信義のためには命さえ惜しまない気風」のことである。
まさに男のなかの男といっていい。
このような任侠の道に生きるヤクザをヒーローとして描き、
1960年代に一大ブームとなったのが東映の任侠映画である。
鶴田浩二や高倉健を始め、ここからたくさんのスターが生まれていった。
しかし私のマル暴刑事時代、任侠道に生きるようなヤクザには一人として
会ったことがない。先輩のマル暴刑事からもそんなヤクザがいたと聞いたこと
は一度もない。
ヤクザとは弱きを助け強きをくじくどころか、弱い者を叩いて金をむしり取り、
強い者におもねる連中だと思ったほうがいい。もちろん、信義に生きる
ことなどあるはずもなく、自分の利益のためなら人を平気で裏切るのが
ヤクザの習性である。
マル暴刑事犯科帳 警察とヤクザの裏事情
著者: 木藪愼市