15/05/06 12:00:18.32
>>1より
■先輩の歴史学者たちの研究姿勢を批判
この米側の歴史学者19人の声明を真正面から批判したのが、米ウィスコンシン大学博士課程の
日本歴史研究学者ジェーソン・モーガン氏である。「19人の学者たちこそ、慰安婦問題での事実関係を考えず、
語らず、日本側の正当な抗議を意味の不明なののしり言葉のレッテルで排除している」という批判だった。
モーガン氏は37歳。学者としては新進であるが、アジアとは深く関わってきた。テネシー大学を卒業後、
ハワイ大学の大学院で中国研究により修士号を得て、中国の雲南大学や日本の名古屋大学でも勉学を続けた。
韓国にも在住して英語を教えた経験がある。日本で4年ほど翻訳会社を経営した後、米国のアカデミズムに戻り、
ウィスコンシン大学の博士課程で日本史を専攻した。現在はフルブライト奨学金学者として早稲田大学で
日本の法制史を研究し、博士論文をまとめているという。
そのモーガン氏が、先輩のダデン教授ら米国の歴史学者たちに対して、その研究の姿勢を正面から
批判したのである。慰安婦問題について日本側の事実に基づく正当な抗議にまったく答えようとせず、
論点をそらし、論題から顔を背けているというのだ。
ダデン教授らの声明は米国歴史学会(AHA)機関紙の3月号に掲載された。そこでモーガン氏も非難の
声明を同機関誌へ投稿した。その投稿が掲載されるかどうかはまだ不明だが、モーガン氏は4月下旬、
インターネット上で自分の意見を公表した。先輩の歴史学者への挑戦というきわめて異例の公表だった。
■事実に目を向けようとしない米国の日本歴史学界
モーガン氏の見解の骨子は以下の通りである。
・ダデン教授ら19人による声明は、慰安婦に関する日本政府の事実提起の主張を言論弾圧と非難するが、
その非難の根拠となる事実をまったく明示していない。この点は、学問を探求する当事者として
偽善としか呼びようがない。
・声明は、日本の吉見義明氏の研究を「20万強制連行」などのほぼ唯一の論拠として言及している。
だが、吉見氏も慰安婦の強制連行の証拠はないことを認めている。同声明は、日本軍による多数の
慰安婦殺害や天皇の贈り物などという記述になんの根拠もないことにも触れようとしない。
・声明は、米国の研究者も年来依拠してきた吉田清治証言の虚構や朝日新聞の誤報にまったく触れていない。
事実を優先すべき歴史研究で不都合な事実を意図的に無視する態度は、学問の基本倫理に違反している。
・声明は、日本側からの慰安婦問題に関する事実の提起を、「右翼」「保守」「修正主義」などという
表現で片づけている。この種の用語は侮蔑的なレッテル言葉であり、実体のある意味がなく、
真剣な議論を拒むための煙幕にすぎない。
・声明は、日本政府の動きを中国などの独裁国家の言論弾圧と同等に扱い、学問や言論の弾圧を
恒常的に実施しているかのように描いている。だが、自分たちがその日本政府機関からの資金で
日本研究を行ってきた事実を無視している。
以上の主張を表明したモーガン氏は、「米国の日本歴史学界で、この19人の明らかに錯誤している
意見に誰も反対しないという状態こそ、学問の自由の重大なゆがみだと思う」と強調するのだった。
慰安婦問題で事実に基づく主張に耳を傾けようとしない米国の日本研究者の研究姿勢が、
モーガン氏の反論によって改まることを期待したいところである。(了)