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★<G20>成長目標実現へインフラ投資促進めぐり論議
毎日新聞2015年4月17日(金)21:28
主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は17日午後(日本時間18日未明)、
共同声明を採択して閉幕する。世界経済底上げのためにインフラ投資が重要との認識を共有する
見通しで、中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)にどう向き合うかが焦点だ。
AIIB構想の背景には、国際通貨基金(IMF)で新興国の発言力を高める改革案が停滞し
ていることがあり、新興国の不満に応えてG20の協調を示せるかも問われる。
【小倉祥徳、ワシントン清水憲司】
「世界経済の回復は続いているが、成長は緩やかでバラツキがある」。
IMFのラガルド専務理事は16日の記者会見で、世界経済の現状をこう指摘した。
IMFの最新の見通しでは、15年の米国の経済成長率が0.5ポイント下方修正され、
出席者から「今後の米国の利上げでドル高が進み、米国経済に悪影響を与える」との懸念が出た。
新興国では中国の景気減速懸念が強まっている上、米国の利上げで新興国から投資資金が
引き揚げられ、経済を動揺させる可能性もある。
麻生太郎財務相は「日本は労働市場も堅調で、企業収益が投資にも回り始めている」と強調したものの、
日本の成長率見通しはユーロ圏とともに15年で1%台にとどまる。ギリシャの財政問題やウクライナ
情勢など世界経済を下押しするリスク要因もくすぶる中、G20が掲げる今後5年間で経済成長率を
2%底上げする目標に黄信号がともる。
目標実現に向けた具体策として注目されるのが、新興国などでのインフラ投資だ。
成長が期待されるアジアでは年間7000億ドル(約84兆円)超のインフラ需要があると見込まれており、
G20はインフラ整備に必要な長期資金の調達方法などを検討。アジア開発銀行(ADB)の融資基盤増強も
課題で、17日の議論ではインフラ投資の促進策をテーマに据えた。中国が主導するAIIBには英独仏や
ブラジル、ロシアなど多くのG20諸国も参加を表明しており、中国がAIIB設立の意義を訴える可能性もある。
ただ、AIIBを巡っては日米が「融資基準や組織運営が不透明」と問題視し、参加に慎重な姿勢を崩していない。
16日には麻生氏とルー米財務長官が会談し、中国側に改善を求める方針を確認した。G20が17日に公表する
共同声明でAIIBが明記されれば、国際開発機関としての存在感は一段と高まるが、「G20と直接関係はなく、
AIIBについて言及する可能性は低い」(国際金融筋)との見方もある。
◇新興国、IMFに不満
AIIBの「創設メンバー」には新興国を中心に57カ国が名を連ねた。その背景には、
IMFの運営に新興国の意見をより反映させるための改革案が、米議会の反対で頓挫していることがある。
17日のG20では新興国などの不満に応え、IMF改革をどう進めるかが主要議題となった。
IMF改革は、中国など新興国の経済成長を反映して出資比率を見直すもので、2010年に政府間で合意した。
中国の出資比率は6位から3位に、インドも11位から8位に上がり、発言権も拡大する予定だった。
しかし、事実上の拒否権を持つ米国の議会が新興国の発言力強化に反発して承認せず、実現していない。
米政府内でも「このままでは各国が米国に背を向けてしまう」(高官)との危機感が強まっている。
このためIMFは、米議会の承認がなくても、新興国の発言力を暫定的に引き上げる「つなぎ措置」を
6月末までにまとめたい考えだ。従来の改革案は米国の増資もセットにしているため、米議会の承認が
必要になる。新興国が増資するだけなら、米政府の同意があれば実現する。その場合、米国の出資比率は
現行17.69%から下がるが、事実上の「拒否権」を確保できる15%超なら米政府も受け入れやすい。
G20は今会合で意見集約することを目指しているが、新興国では「つなぎ措置を行うと、
10年の改革案の実現がかえって遠のく」との異論もある。「米国主導に反感を抱く新興国は
『米国のせいで改革が進まない』と批判できる現状を歓迎している」(国際金融筋)との見方もあり、
実現のめどは立っていない。
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2:◆CHURa/Os2M@ちゅら猫φ ★
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◇G20
日米欧の先進国に中国、ロシアなど新興国を加えた20カ国・地域による国際会議。かつては
先進7カ国によるG7が世界経済の課題を議論する主要な会議だったが、経済成長で新興国の
発言力が増したことからG20に比重が移っている。G20の財務相・中央銀行総裁会議は
アジア通貨危機後の1999年に始まった。