15/04/13 15:03:31.16
>>1より
イギリスを落とせば、他のヨーロッパ諸国や英連邦諸国を芋ずる式に落とせる。
イギリスのウィリアム王子が今月(2015年3月)訪中した段階で、勝負あった感じだ。
アメリカは外交政策で失敗したのだ。
アメリカも、3月30日、ルー米財務長官を中国に派遣したが、時既に遅しだった。
3月29日BS朝日『いま世界は』で、宋氏は、訪中しているルー米財務長官はきっと
参加するから、今からでも日本は参加せよと発言したが、結果としては誤った発言だった。
いかにも中国人ならやりかねない「はったり」だったが、筆者は、後で述べるような
経済の視点から、アメリカが土壇場で参加するはずないと思っていたので、とりあえず無視した。
・中国は必ず日米に参加を求めてくる
ただし、いつでも経済の視点、これは国際金融の常識といってもいいが、
その議論のためのタネは後で述べるようにまいておいた。
なお、たしかに、イギリスが落ちたという外国事情はあまり官邸に上がっていなかったようだ。
この点は、今の財務省も悪い。ただし、今焦って参加するのはもっと国益に反することになる。
長い目でみれば、AIIBに一定の関与をするのは外交戦略上当然であるが、
国際金融の常識から考えて、今は焦ることはないというのが重要だ。
番組の中でまいたタネとは、メインキャスターの木佐彩子さんに、AIIBの格付けがどうなるかを
質問してもらうように事前に頼んでおいたのだ。もし質問がなければ自分で説明するつもりだった。
幸い、番組中にその質問があったので、AIIBはせいぜいシングルAクラスとなり、
一般的な国際機関はトリプルAより低くなると説明した。
というのは、AIIBは中国主導であるということは、最終的には中国が後ろ盾になるわけだが、
その格付けは、中国と同等になるというのが筋であるからだ。中国の格付けは、トリプルAの
アメリカ、ダブルAの日本より下のシングルAである、シングルAでも、韓国より低い。
格付けというのは誰でも理解できる用語を使ったまでで、実は、AIIBのクレジット・スプレッド
がどうなるかが、重要だ。中国、日本、アメリカのCDSレートをみると、それぞれ、1.38%、
0.35%、0.19%だ(4月10日現在)。ということは、中国主導のAIIBと日米主導のADBは、
資金調達コストで1%以上の近い差ができる可能性がある。
ということは、アメリカと日本が参加しないのは、AIIBにとって致命的な欠陥になる。
これは単なるメンツの問題ではない。地位が三流になるにとどまらず、AIIBの資金調達
コストが高まるので、AIIBの貸出金利が高くなって、日米が主導するアジア開発銀行
(ADB)と競争しても、分が悪く勝負にならないことを意味している。
このため、中国は必ず日米に参加を求めてくるはずだ。その機会を狙って、
理事会が実質的に関与できることを確保したらいい。
これが、国際金融の立場からみた、今焦って参加することはないという論拠だ。
こうした外交では、希望的な観測は厳禁であるが、国際金融の常識からの合理的な
予測は問題ないはずだ。
しかも、中国の金融システムは金利の自由化すら終了していない途上国並みの未熟なもので、
国際金融業務のノウハウも乏しい。いずれアジアで実績のある日本に水面下では協力を求めてくるはずだ。
その時点で、理事会が実質的に関与できるかどうかを見極めてから参加しても遅くはない。
・オバマ政権はキューバ優先、寝返らない
ただし、この戦略にも弱点はある。アメリカが寝返るかもしれないのだ。
その可能性は少ないとはいえゼロではない。かつて、日本の頭越しに米中国交回復をしたこともある。
特に、外交は、議会の縛りが比較的に少ないので、政権末期にはしばしば使われる。
これまで、外交案件としては、中東や北朝鮮案件があったが、今のオバマ政権はキューバの
国交回復を選択したようなので、この点、中国案件にアメリカが方向転換する可能性はほとんどない。
>>3へ