15/03/23 21:20:50.82 *.net
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今年の春闘、大企業はどこもかしこも大幅アップに沸いているが、
その裏側では労働者イジメの悪法が次々と国会に提出されようとしている。それも前代未聞の強引さで。
働く人にかくも冷酷な安倍政権の実態と、法改悪の恐ろしさを野党の論客、民主党衆院議員の山井和則氏(53)に聞いてみた。
―春闘は史上最高ベアに沸いて、サラリーマンも浮かれているように見えますね。
実は、大ピンチなのです。今の国会は労働者にとって、歴史上最大の危機を迎えている。なぜかというと、
「悪の3点セット」のような法案が出されて、数の力で押し切られようとしているからです。
1つは派遣法改悪、2つ目は残業代ゼロ法案、3つ目は年内に審議会で議論される首切り自由化法案です
大企業が今度の春闘で景気よく賃上げに応じているのは、今後、正社員を派遣に切り替え、残業代をゼロにできて、
金銭さえ支払えば、解雇を自由にできるようになるからです。
―賃上げしても、総人件費で見れば、コストカットが見込める?
その通りです。だから、大盤振る舞いできるんです。サラリーマンは騙されたらいけません。
―具体的に、この間、閣議決定された派遣法の改正、それと、近日中に閣議決定される残業代ゼロ法案ですね。どの辺が問題なのでしょうか?
まずは、これまで雇用労働法制というのは、労使合意が大原則だったんです。法案提出前に厚生労働省の審議会である
労働政策審議会で労使の代表が議論して、中身を詰めて合意する。そうやって、法案が出てくるので、
国会でも与野党ともに賛成する。逆に、労使が合意していない法案は出てこない。これが慣行だったんですね。
7年前、第1次安倍政権は労使合意ができなかったので、ホワイトカラー・エグゼンプション(残業代ゼロ)の法案提出を断念しました。
ところが、第2次安倍政権になってから、この慣行が崩れた。労働政策審議会で労働側が反対した法案を国会に出してきて、
強行採決でもなんでもやって、成立させようとしている。政策決定過程が根本から変わってしまった。
―数の力の驕りですね。
その通りです。それに財界、経団連が悪乗りして、従来からの悲願である法改悪を
一気にやってしまえというムードになっている。働く者からすれば、地獄の始まりですよ。
―派遣法改正で、これまで「最長3年間」だった派遣期間は条件付きで無期限派遣が可能になります。
通訳など「専門26業務」に限定されていた無期限派遣の規制も取っ払われます。派遣労働者を3年ごとに入れ替えて、
ずっと、その仕事を派遣に任せることも可能になりますね。
ドイツでは今から12年前、最長派遣期間の上限規制を撤廃しました。その結果、2004年は38万人だった派遣が
2011年には88万人に倍以上に増えました。規制を撤廃すれば、日本でも間違いなく派遣が増えて、
正社員の求人が減ります。一生派遣の若者が激増します。
―政府は正社員が増えると言っています。
派遣労働者の方から何十回も話を聞いているんですが、派遣の方々が共通して訴えているのは、
「一度、派遣になると、正社員になれない、なりにくい」というシビアな実態です。履歴書の職歴にいくつもの会社の名前が並び、
ずっと派遣だったとわかると、それだけで落とされてしまう、というんですね。しかも、派遣は40、50代になると賃金が下がっていく。
受け入れ先も減ってくる。人生設計が成り立たないんです。だから、なかなか結婚もできないんです。
半年先、1年先の生活が不安定であれば、求婚できない。人口減に拍車がかかり、社会が荒廃することになります