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春節期間(18~24日)を中心に日本に押し寄せている中国人観光客。昼間は家電製品などを大人買いし、夜になると風俗街へ。
殿方たちのお楽しみは万国共通のようだが、中国人男性がいつになく興奮するのは、母国での厳しい風俗規制が影響しているという。ジャーナリスト、奥窪優木氏の爆買いルポ最終回-。
「泡沫王国」という言葉がある。中国で最近登場した新語で、バブル崩壊の足音が響く中国のことではない。日本のソープランドの中国語名である。
最近、訪日する中国人男性に、ひそかな人気スポットとなっているのが、この泡沫王国を始めとする各種性風俗店だ。
急激に進んだ円安により、日本の風俗に割安感が広がっていることも要因だが、中国国内のある政策とも関係があるという。
広東省広州市に住む自営業の男性(37)が話す。
「昨年からの習近平(国家主席)の風俗摘発により、売春はおろかキャバクラも消滅した。
生き残っているところもありますが、質はいいとはいえず、さらに逮捕されるリスクもあるので普通の男はまず行かない。
こうしたなか、中国の男たちはエロに関して未消化の予算がかなりたまっている。日本のようにサービスが良く、安全に遊べるところなら財布のひもが緩むでしょうね」
春節直前の2月17日、東京・吉原にあるソープランドを訪れた男性(35)は、そこで複数の中国人客に出くわした。
「待合室に入ると3人組の男がいて、おそらく中国語で会話していました。1人はガイドか通訳で、店員から聞いたシステムを彼らに説明しているようだった。
ソープ嬢の話だと、ここ最近は、毎日1人は中国人の客がついているそうです。
『トラブルはないか?』と聞いたんですが、『キスとかフェラとか、普通のプレイですごい感激してくれて楽。お小遣いくれる人もいるし』とも話していました」
春節時期の繁忙ぶりについて、渋谷にあるデリヘル店の送迎ドライバーの男性もこう話す。
「中国人客は、普段の5倍以上になっている。日によっては日本人客より多いくらいで、
ここ1週間で、池袋や新宿の中国人がよく使うホテルに何回行ったか分からない。多い時だと、同じホテルに5往復しましたから」
ただ、多少の文化摩擦に悩まされることもあるという。
「2人の男性客が、それぞれ女の子を呼んだ場合、『プレイ時間が余ったら、交換してもいいか』と決まって聞かれるんです。
中国の風俗では、スワッピングは結構普通らしいんですよ」(ドライバーの男性)
ともあれ、中国人男性は日本の風俗産業にとって得意客であることは間違いない。最近では、英語や中国語に対応したウェブサイトを設ける風俗店も少なくない。
さらに、中国語の風俗情報サイトも登場。訪日前に予約をネット上で行うことができるようになった。
中国人観光客へのおもてなしは、ある意味、風俗業界を見習ってもいいのかもしれない。 =おわり
■奥窪優木(おくくぼ・ゆうき) 1980年、愛媛県生まれ。上智大経済学部卒。
2004年に渡米、出版社・新聞社勤務を経てフリーに。07年から中国・広州で取材活動を開始。
08年に帰国し、中国の社会問題を週刊誌などで執筆中。
著書に『中国「猛毒食品」に殺される』(扶桑社)、『中華バカ事件簿』(同)など。
URLリンク(www.zakzak.co.jp)