15/02/23 15:56:51.53
>>1より
・乱開発、土地投機、地元民を奴隷扱い
旺盛に海洋進出を進める一方で、中国は多大な資本とパワーで「内陸」にも進攻している。
人口約650万人の小国・ラオス。中国との国境の街ボーテンにある経済特区では中国企業が大挙し、
カジノを中心とした一大歓楽街を建設した。中国国内で賭博は違法のため、本土からギャンブル客が押しかけて
治安が悪化した。挙げ句、殺人事件の多発で10年末にカジノが閉鎖されると、中国人は潮が引くように消え、
最盛期に1万人以上の中国人が暮らしていた街は瞬く間にゴーストタウンになった。
首都ビエンチャンの旅行会社で働くラオス人が嘆く。
「奴らは短期間で乱開発し都合が悪くなるとさっさと逃げる。国力の弱いラオスを馬鹿にしているとしか
思えないが、中国に経済を完全に握られているのでどうしようもない」
現在、中国が積極的に援助を進めるカンボジアではインフラ開発やビル建設などが急ピッチで進む。
「工事の現場監督は常に中国人。現場周辺に中国人が多数集結し、中華料理屋やカラオケクラブを開いた。
しかしそのほとんどが中国人客目当てで地元の庶民にはほとんどお金が落ちてこない。
土木作業員は現地民が雇われているが、『奴隷のような扱いで殴られた仲間もいる』との情報もあった」
(現地に詳しい日本人ジャーナリスト)
ミャンマーは00年頃から中国との関係を強化した。以降、ミャンマー第二の都市マンダレーに殺到した
中国人が地元企業を買い漁って土地投機にひた走り、地価高騰で多くの地元住民が都市中心部から
立ち退かざるを得なくなった。
12年にヒットしたミャンマー人歌手リンリンさんの歌う反中ソング『マンダレーの死』は
そんなミャンマーの悲しい現実を浮き彫りにする。
《この都市に住みついた彼らは誰だ?/北東の国からここにたどり着いた隣人/異邦人にメチャクチャに
されてしまったのだ/愛するマンダレーは死んだ》
タイは中国と良好な関係を築いてきた。近年は中国人観光客が増加し、13年には2673万人に達した。
前年比68・8%増という驚異的な伸び率を記録するが、中国人観光客への不満が高まっている。
「大声でわめき、道端で子供に排泄させる中国人観光客のマナーの悪さをタイ人は軽蔑するが、
経済的な面から表立って文句を言えない。タイは政治、経済とも華僑に支配されている」(タイ人会社員)
・「日本の援助を望むが中国が恐くて言えない」
昨年11月、習近平は中央・南アジアに道路、鉄道、港湾などを建設して大陸間の陸路や空路の開発に乗り出す
「シルクロード経済圏(ベルト)」構想のため400億ドルの基金を創設すると表明した。
東海大学海洋学部の山田吉彦教授は指摘する。
「中国はラオスやタイ、カンボジアなどを援助して陸上ルートを築こうとしている。経済援助をエサにして、
かつての朝貢国のように周辺国を隷属させる用意周到な戦略です」
そんなアジア各国が内心で頼りにするのが日本に他ならない。各国取材でも、日本に期待する声が多かった。
「日本の企業は技術を現地に根づかせようとするが、中国は援助と称して資源を奪っていくだけだ。
本当は日本の援助を望むが中国が恐くて文句を言えない人は多い」(カンボジアの男性会社員)
「中国の合弁企業は環境破壊と公害をまき散らし、補償もしない。日本企業ならきちんと対応してくれたはずだ」(ミャンマー人女性会社員)
アジアで中国と対峙できるのは日本だけだというのが取材したアジアの国々の共通認識なのだ。
「中国海警局は南シナ海を航行するときは武装していますが、東シナ海の航行では武装解除している。
日本の経済力、防衛力の強さを認識しているから、力ずくではなく政治や外交で揺さ振るつもりなのです」(前出・山田教授)
さらに山田教授は、アジア各国と連携した積極的な対中策を提案する。
「日本が率先してフィリピンやベトナムなど、ASEAN諸国をサポートし、中国がおかしな行動を取ったら
罰せられる海上安全の共通ルール作成を支援すべきです」
ベトナム人の男性は「日本がアジアのリーダーであるべきだ」と語っていた。日本は、彼らの期待に応えられるか。(了)