【長谷川幸洋】私たちは後藤さんの運命を心配するあまり、ヨルダンの置かれた立場への配慮が不足していないかat NEWSPLUS
【長谷川幸洋】私たちは後藤さんの運命を心配するあまり、ヨルダンの置かれた立場への配慮が不足していないか - 暇つぶし2ch2:◆CHURa/Os2M@ちゅら猫φ ★
15/01/30 14:47:05.55
>>1より

・「巻き込まれたくない論」の本質

本当の問題はこの次だ。もしも日本が「オレたちは巻き込まれてしまった」などと思っているとしたら、
大間違いである。日本は「巻き込まれた」どころか、ヨルダンを「巻き込んでしまった」のだ。
当初は日本とイスラム国の事件だったが、イスラム国の巧妙な作戦によって、ヨルダンが当事者になってしまった。
その点に、私たちはどれほど思いが及んでいるか。

ヨルダンはもちろんパイロットを最優先で助けたい。だが、イスラム国が後藤健二さんと死刑囚の釈放を
交換条件にしたために、話は複雑になり、パイロットのことばかり言ってはいられない状況に追い込まれた。
日本はヨルダンに迷惑をかけているのだ。

こういう事態は初めての経験である。だが、実は集団的自衛権をめぐっても同じような議論があった。
日本を助けにきた米国が攻撃されたとき「日本は指をくわえて黙って見ているのか」という例の仮説である。

集団的自衛権の行使に反対して「日本は何もできない」というなら「自分たちが安全なら米国はどうなってもいい」
という話になる。今回のヨルダンに対する配慮のなさ、後藤さんの運命に比べて低い注目度を目の当たりにすると、
どうも日本はあまりに身勝手なのではないか。そう感じる。

「巻き込まれたくない論」の本質は、実はこの身勝手さにある。「私たちは平和憲法を守って平和を愛している。
テロリストの誘拐はひどい。私たちは巻き込まれた被害者だ」というばかりで、自分たちがヨルダンを被害者に
巻き込んでいる事態に気が付かないのだ。

・日本が国際社会で尊敬される国になるために

集団的自衛権問題で言えば、自分たちが米国に守られていながら、いざ米国が攻撃されても
「憲法の制約があるから守らない」というのは身勝手そのものだ。「巻き込まれたくない」の一点張りで、
けっして助けにはいかないが、自分がやられそうなときは「ぜひ巻き込まれて、助けにきてください」というのである。

今回の事件と報道ぶりをみていると、日本はこれほどまでに内向きで、自分たちの事情でしか物事を
考えられない国になってしまったのか、とがっかりする。

どういう結末を迎えるにせよ、いずれ事件は決着するだろう。
そのとき、後藤さんさえ助かればハッピーエンドと言えるか。とても言えない。
まずは迷惑をかけたヨルダンのパイロットがどうなるか。私たちはそこを一番、心配すべきではないか。

今回の事件が起きていなかったら、ヨルダンは自力でパイロットの解放交渉を続けていたに違いない。
はっきり言って、ヨルダンにとって今回の事件は降ってわいた余計なお荷物である。

相手の立場を考えられないようでは、日本はとても国際社会で尊敬されるような国にはなりえない。
今回の事件は、日本と日本人が苦しいときにどれだけ周囲を考え、毅然としてふるまえるか、
品性が問われる分水嶺である。(了)


次ページ
続きを表示
1を表示
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch