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【竹井善昭】政治的中立と人道支援~イスラム国人質事件で考える「日本人の正義」とは? - 暇つぶし2ch3:◆CHURa/Os2M@ちゅら猫φ ★
15/01/27 15:50:47.66
>>2より

もちろんこのような事情は、現地のNGOスタッフには分かっていたことだと思う。
しかし、そうと分かっていても支援活動を続けざるを得なかった理由のひとつは、過激派の要求を呑まなければ
現地での活動ができなかったという事情もあるだろうが、最大の要因はNGOの活動を支配する「原則」に拠る。

これは、「赤十字原則」と呼ばれるもので、人道支援NGOは「中立性」「公平性」「独立性」の3つの原則を守る。
言葉を変えれば「NGOは政治的な判断をしない」「政治に関わらない」ということで、ルワンダのケースで言えば、
フツ族とツチ族の対立には関わらない、どちらにも荷担しないということだ。しかし、結果としてこのケースでは、
フツ族に利する援助を行なってしまっている。

・最終的な判断を迫られたときに拠って立つものは?

原則にこだわることで、大きな人道的犯罪に荷担してしまうこともある。たとえば赤十字国際委員会
(以下、赤十字)は、ナチスによる国家的な殺戮「ホロコースト」の事実を1942年の段階で知ってい
たと言われている。しかし、この時、赤十字はこの事実を連合国側のメディアや諜報機関に伝える
ことをしなかったという。それは、赤十字原則の「中立性」に則ってのことだった。

もし、赤十字がホロコーストの事実をつかんだ段階でそのことを公表していたら、ユダヤ人の犠牲者は
もう少し少なかったかどうか、それは分からない。歴史に「もし」はないとも言う。しかし、「人道」
というものを考えるとき、この赤十字の判断をどう評価するのか、それはそれぞれが考えておくべきことだと思う。

個人的にはNGOにも政治性はあってもよいのではないかと思う。とくに戦争や内戦が絡む人道支援においては、
何が中立で何が公平なのか、分からなくなることも多い。そのようなときに、最終的な判断を迫られた場合、
拠って立つのは自分たちの「正義」しかないと思う。それは、多くのNGOが準拠する赤十字原則から大きく
外れることになるが、しかし、正義のない「独立性」というものは本当にあるのだろうか。独立性とは結局は、
自分たちの正義に拠るものではないのか。

だから、今回のイスラム国による邦人人質事件を人道的見地から判断するとしても、感情や憐憫に拠ってではなく、
「日本人の正義」という視点で考えるべきだと僕は考える。

「天使とは、美しい花をまき散らす者でなく、苦悩する者のために戦う者である」―フローレンス・ナイチンゲール (了)


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