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★【科学】油井亀美也さん5月に宇宙へ 初の自衛隊パイロット出身 「重力加速度に耐える訓練では、こんなものかと思った」
2015.1.26 10:10
宇宙飛行士の油井亀美也さん(44)が5月下旬から約半年間、国際宇宙ステーション(ISS)
に長期滞在する。初の自衛隊出身の飛行士で、元パイロットという経歴を持つ期待の人材だ。
「経験を貪欲に追い求め多くを吸収したい」と初飛行への意気込みを語った。(草下健夫)
◆役立った経験
--航空自衛隊時代に事故の危険が伴う過酷な条件で飛行機を操縦するテストパイロットや、
F15戦闘機の操縦をこなした。経験は生かせているか
「ソユーズ宇宙船やロボットアームの操縦訓練は、注意配分しながら何かを操作する点で自衛隊時代の
訓練と全く同じで、直結した形で役立った。テストパイロットが初期の宇宙飛行士になった歴史があり、
訓練体系が継承されていると感じた。全て予想の範囲で重要な点が分かり、非常にやりやすかった。
(搭乗時の)重力加速度に耐える訓練では、F15だと頭から血が抜ける方向に9G(地球の9倍)
がかかるが、宇宙飛行士は胸を押す方向に8Gまで。こんなものかと思った」
--米露の飛行士は軍のパイロット出身が多い
「似た経験を持つので人間関係を築きやすい。何かあれば最も危険な所に行く立場を経験しており、
平和の重要性をよく知っている。滞在中に船長となる米国人も軍のパイロット出身で親近感がある」
--訓練を重ねる中で、宇宙への思いの変化は
「以前は単なる憧れだったが、人類の未来がかかっていると感じるようになった。もっと遠くへと
活動するのは人間の本能で、宇宙に向かうのは必然。新たな大航海時代を迎えるため、無限の可能性を
秘めた宇宙に出るしかない」
◆火星探査想定も
--滞在中にやりたいことは
「無人補給機こうのとり5号機が打ち上げられれば、得意の操縦技術を生かしロボットアームで捕捉したい。
実験は楽しみで、特に宇宙の秘密に興味がある。同機が搭載し、ISSに設置する高エネルギー宇宙線
観測装置『CALET』(キャレット)は(宇宙最大の謎である)暗黒物質の発見を目指しており、
ノーベル賞級の成果を期待している」
--将来の火星探査を見据えた活動は
「有人火星探査の初期には有人船が火星上空にとどまり、ロボットを地上に降ろして探査させるだろう。
これを想定し今回、ISSから地球上のロボットアームを遠隔操作する実験が準備されており、
私ができるよう希望している。また、無重力の宇宙空間を移動した後に重力のある火星に着くと、
平衡感覚をつかさどる三半規管が衰えてしまい、回復するまで宇宙船の操縦などができない恐れがある。
今回の飛行では地球に戻ったときに三半規管の機能を調べる実験も計画されており、参加したい」 >>2へ続く
URLリンク(www.sankei.com)
国際宇宙ステーション(ISS)の模型を前に「ISSは平和の象徴であり、もっと成果を上げられる」
と話す油井亀美也さん=1月、東京都千代田区(野村成次撮影)
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