15/01/23 12:52:09.10
>>1より
楊氏の編集による大部の本「モンゴル人ジェノサイドに関する基礎資料」(URLリンク(www.fukyo.co.jp))の
一部を見たことがあるが、内部資料などを丹念に集め、モンゴル人の被害の実態を明らかにしている。基底には楊氏の、
同胞が味わった苦しみへの怒りと、モンゴルへの愛情があるのはいうまでもあるまいが、姿勢は大変に実証的である。
氏は「狂暴国家 中国の正体」で、モンゴル人にとって文化大革命はジェノサイド=民族抹消行為だったとしている。
「毛沢東と、人民の味方たる共産党の首長が断罪した『民族分裂主義者』たちを殺害することは、躊躇(ちゅうちょ)ない
善なる『革命行為』に発展していった」と。内モンゴル自治区のモンゴル人が「民族分裂主義者」と断罪されたとき、
中国人(漢族)は「善」として虐殺をなしたというのである。
中国はこのようなことを認めようとしない。文化大革命全体の実態も闇に沈んでいるのである。
そのような国が南京事件「30万人」を言い募っているということは、南京事件のこの数字が過大なものであると
国際社会にアピールする際、紳士的に付記しておいてよいと思う。
■辻褄合わせたいから「30万人」…親中派・媚中派の「左傾」人士は鑑とせよ
楊氏の「狂暴国家 中国の正体」については、きちんと紹介しておくのが公平な姿勢だろう。
本稿は「30万人」という数の偶然の一致から南京事件に関して同書を引用させてもらったが、
同書は別に南京事件を扱ったものではない。中国による民族抑圧の実態とその背景にある中国の思考法を、
抑圧される民族の側の視点で描いた著書である。
モンゴル問題に限らずウイグル問題もチベットのそれも、同じ視点で取り上げられていく。
中国という異形の国の実態を浮き彫りにする好著であり、日本人に複眼的な視点を与えてくれるものだ。
日本人は日本人の立場で中国について考えることに終始しがちだが、ユーラシア大陸で中国に苦しんできた
民族の側から中国を見る目を教えてくれるのである。
楊氏の提言に学べるところは大きい。日本はモンゴルをはじめユーラシア外交にもっと目を向けるべきだ
という提言もそうだし、あるいは集団的自衛権をめぐる日本国内の議論について述べた次のようなくだり。
「自衛権のない国家は去勢された男のような存在です」。泰平の平和のなかで集団的自衛権反対を叫ぶ
左傾人士は、これをなんと読むか。
あるいは能天気に日中友好を説く日本人への、次のような文章。「ぜひ、『日中友好論者』たちにも中国共産党
支配下の内モンゴル自治区や『反テロの前線』たる新疆ウイグル自治区、焼身自殺による抗議活動が続いている
チベットにも足を運んでほしいものです」。
媚中派、親中派、さらに「南京大虐殺」説を日本であおる人士たちにも、よく読んでほしいものである。
(大阪正論室長) =随時掲載します