14/12/10 14:02:24.85
>>1より
「植村記者救済の署名運動をしている政治学者の山口二郎氏は、『安倍氏は朝日新聞の問題を、
メディア全般を脅して自己検閲へと追い込むために利用している。これは新しい形のマッカーシー旋風だ』と述べた」
「歴史修正主義の右翼」「安倍首相」と並べば、ニューヨーク・タイムズのメッセージの意図は明白で、
「安倍氏がメディアを脅して、黙らせようとしている」という主張が容易に思い浮かぶ。
つまり、日本は首相が先頭に立って言論弾圧をする国だと言いたいのである。
■主張の根拠がだんだん薄弱になってきた
さて、慰安婦問題の核心である「日本軍の組織的な女性の強制連行」という点では、
この記事はどんなスタンスを取っているのか。
それは予想通り「組織的な強制連行があった」という立場である。記事には次のような記述がある。
「日本軍が数万人の朝鮮出身者やその他の外国の女性たちを強制して性的奴隷化したという見方は
現在国際的に受け入れられている」
「主要な歴史学者のほとんどが、日本帝国陸軍が占領地域の女性を戦利品のように扱い、集団で拘束し、
慰安所という軍用の売春宿に閉じ込めたという主張に同意する」
「東南アジアでは日本軍が女性たちを拉致して、売春宿で働かせたという証拠は存在する」
「だが、朝鮮半島では日本軍が女性たちを拉致したり、強制連行に直接関与したことを示す証拠はほとんどない」
「日本の歴史修正主義者たちは、拉致の証拠が不足していること利用して、身柄を拘束されて性的奴隷に
された女性は1人もいないと主張する」
以上の記述を見ると、さすがのニューヨーク・タイムズも「日本軍による20万人の女性の強制連行があった」
という主張の根拠がだんだん薄弱になってきたことが分かる。「朝鮮半島では日本軍の強制連行の証拠
はほとんどない」と書くのは、ニューヨーク・タイムズとしては画期的なことであろう。
一体、何をきっかけにこれまでの主張を覆すようになったのか。
さらには「主要な歴史学者のほとんど」という表現も説得力を欠く。どこの、何という名前の歴史学者なのか。
その主張にはどのような証拠があるのか。
こうした説明は皆無であり、事実を伝える記事として致命的な欠陥があると言わざるを得ない。
仮にも国家の過去の犯罪性を糾弾するのならば、誰もが納得できる証拠を示すべきであろう。
「学者のほとんどが同意している」だけでは、あまりにお粗末である。
■悪のイメージを植えつける伝統的攻撃パターン
それにしても、この記事には意味の不明なレッテル言葉があまりにも多すぎる。まずは「右翼」、
そして「ナショナリスト(民族主義者、国粋主義者、国家主義者など)」「歴史修正主義者」などである。
なかでも「右翼」という言葉は記事のなかでなんと9回も使われていた。
右翼やナショナリストといった言葉に共通するのは、意味が曖昧で、ネガティブなイメージだけを想起させる
「ののしり言葉」だという点である。攻撃したい対象を「右翼」「ナショナリスト」呼ばわりし、
悪のイメージを植えつける。これがニューヨーク・タイムズの伝統的な報道姿勢である。
しかしそのニューヨーク・タイムズでさえも、慰安婦問題に関する主張の鋭さが衰えてきた。
同紙は長い年月にわたり、慰安婦問題で朝日新聞とスクラムを組んで日本糾弾の先頭に立ってきた。
しかしここに来て主張を後退させつつある。
これは、日本側にとっては歓迎すべき動きだと言える。「日本軍による20万人女性の強制連行」という
世紀の濡れ衣もついに晴らせそうな兆しが見えてきたのである。 (了)