14/05/23 03:34:42.48
>>1より
EU拡大の波がブルガリアやルーマニアなど国内総生産(GDP)がEU平均のほぼ半分という国にまで届いたことで、
欧州ではベネフィット・ツーリズムへの懸念が強まった。
この問題は自治体の団体であるドイツ都市評議会が昨年、社会給付金目的の移民がドルトムント、デュースブルクで
社会福祉制度の負担となり、物乞いや犯罪、売春を増やしていることへの対策として、政府に資金援助を求めたことで
注目されるようになった。両都市はいずれも製造業の斜陽化で苦しんでいる。
しかし、EUの最高裁判所の法律顧問は、ドイツとの関係があいまいだったり、ドイツ社会への同化の意欲を示さない
EU諸国からの移民に対して、ドイツは一部の社会保障給付を拒否できるとの見解を表明しており、これがベネフィット
・ツーリズムへの対策となりそうだ。
ベルリン自由大学の社会学者ユルゲン・ゲアハルツ氏は、フランス、フィンランド、デンマーク、英国の反移民政党は
「貧しい国からの移民は社会保障制度への脅威となりうる」という不安を反映したものだ、と指摘した。
政治アナリストによれば、経済危機が政治環境に影響を与えた欧州の多くの国とは異なりドイツでは、伝染力の強い
反移民の動きはあまり見られない。これは経済の回復力のおかげだという。
ただ、欧州懐疑論と保守主義、それに移民への強腰姿勢を主張するAfDは、結党後わずか1年ほどであるにもかかわらず、
勢力を拡張させており、最近の世論調査では着実に6?7％の支持を得ている。
同国の憲法裁判所が今年2月、国内選挙で得票率3％に達しない政党が欧州議会選で議席を得られないという条項に
無効の判断を示したことからも、AfDが同議会で議席を獲得するのは確実なようだ。EU加盟国の中で最も人口の多い
ドイツは、欧州議会で全議席の13％を持っている。
エコノミストは、ドイツでは移民が政治的問題ではあるが、同国の急速な高齢化、一部地区や業種での熟練技術者不足、
カネのかかる福祉国家としての負担増大を考えれば、移民は同国にとって必要不可欠だと見ている。フンボルト大学
（ベルリン）の移民専門家レギナ・レームヒルト氏は「不幸なことに、移民を現実として、また必要なものとして
考える人は本当に少ない」と語った。