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★「発覚前から把握」証言も 報告書への不記載 政倫審
2024年12月19日 5時00分
１８日の衆参両院の政治倫理審査会（政倫審）では、複数の議員が、
事件発覚前から政治資金収支報告書への不記載を把握していたと証言した。
疑念を抱きながらも派閥の指示に従い続けていた実態が浮かび上がった。
「複数回にわたって法的に問題がないか（派閥側に）問い合わせた」。
衆院政倫審で弁明に立った安倍派（清和政策研究会）の柴山昌彦元文部科学相はこう語った。
２０１４年ごろ、還付分は不記載にしてほしいという派閥の要請を受け、「不審に思った」という。
さらに「私は弁護士であり、民間企業では理解されない処理だと感じていた。
率直に言って気持ち悪かった」とも明かした。
しかし、派閥側からは「問題ない」との説明を受け、
「まさか法に触れるような処理はしないだろうと考えて、派閥の方針に従うことにした」と釈明した。
安倍派の関芳弘衆院議員も、派閥の指示について「疑問を抱いた」と述べ、
派閥会長だった安倍晋三元首相に相談していたことを明かした。
ただ、その後安倍氏が亡くなったため、疑問を抱いたまま指示通りに不記載を続けたという。
一方、この日も出席した議員の多くは
「報道を受けて秘書に確認をし、記載していないことを知った」（鈴木英敬衆院議員）
「報道されるまで本当に全く知らなかった」（松川るい参院議員）と語った。
この日の政倫審には、安倍派１０人のほかに、二階派（志帥会）の平沢勝栄元復興相が出席した。
平沢氏も「経理については担当秘書にすべて任せていた」と弁明。
訂正後の収支報告書について「数字合わせをしたような形跡がある」などと野党側から追及されたが、
「（秘書に任せていて）話についていけない」として説明を避けた。
自民の裏金問題に関する政倫審は、１９日も衆院で開催される。
安倍派の福田達夫・党幹事長代行ら４人が出席予定だ。（国吉美香、神野勇人）
■衆参の政倫審に出席した自民議員と主な発言
【衆院】
《安倍派》
◇柴山昌彦・元文部科学相（８）（８９６万円） 「派閥からノルマ超過分の寄付を収支報告書に計上しない対応をとるよう要請があった」
◇鈴木英敬・元内閣府政務官（２）（２８０万円） 「派閥の方針に反する処理はできず、不記載に。還付金は使用していない」
◇関芳弘・元経済産業副大臣（６）（８３６万円） 「運用に疑問を抱いていたので、還付金は銀行口座に入金したままにしていた」
◇田畑裕明・元総務副大臣（５）（６８万円） 「会計責任者らを全面的に信頼し、適正に収支報告していると信じきっていた」
◇根本幸典・元国土交通政務官（５）（４２０万円） 「還付金は会費や会合費、交通費、印刷代などの政治活動に充てていた」
◇萩生田光一・元党政調会長（７）（２７２８万円） 「パーティーの運営や会計に関与する立場にも、知る立場にも、伝える立場にもなかった」
《二階派》
◇平沢勝栄・元復興相（１０）（１８１７万円） 「経理は担当秘書にすべて任せていた。政治活動の目的以外には使っていない」
【参院】
《安倍派》
◇太田房江・元経産副大臣（２）（２１４万円） 「秘書から還付金の報告なく知らなかった。２０２０年に別の秘書から初めて知らされた」
◇松川るい・元党女性局長（２）（２０４万円） 「キックバックはないと聞いていた。派閥の問題で、自分は関係ないと信じきっていた」
◇森雅子・元法相（３）（２８２万円） 「報道されて秘書に確認したら還付金があった。知っていたら記載していた」
◇山谷えり子・元拉致問題担当相（４）（２４０３万円） 「事務所に確認したら、派閥からの記載しなくていいとの伝達に従っていた」
（カッコ内数字は当選回数、カッコ内は政治資金収支報告書の不記載額）
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