24/12/02 10:10:00.07
>>1の続き
●撮影費用、ヘアメイク代はどう処理されたのか
折田氏のnote投稿について、新聞、テレビ、ウェブメディアなどは連日、
さまざまな角度から公職選挙法違反の疑いについて追及している。
筆者は、これまでメディアが取り上げていない内容を紹介したい。
斎藤陣営は、折田氏の広報・PR会社メルチュに報酬71万5000円を支払っている。
その内訳は①公約スライド制作30万円、②チラシデザイン制作15万円、③メインビジュアル企画・制作10万円、
④ポスターデザイン制作5万円、⑤選挙公報デザイン制作5万円(合計65万円)と消費税(10%)6万5000円である。
折田氏は、noteへの投稿「1.プロフィール撮影」で、大阪にプライベートスタジオを持つ信頼できるカメラマン、
友人の紹介によるヘアメイクを依頼した、と投稿している。いくら何でもカメラマン、ヘアメイクはボランティアではなかろう。
折田氏のメルチュから、カメラマン、ヘアメイクに費用を一旦立て替えた上で、
その費用を含めて斎藤陣営に請求するのが一般的である。カメラマン、ヘアメイクの費用はそれなりに高い。
ところが、①から⑤には、カメラマン、ヘアメイクの費用は含まれていない。どのように処理するのだろうか。
●公費負担のポスター代を「自腹」の謎
斎藤陣営がどんな成果物に対して金銭を支払ったのかは、noteへの投稿
「4.ポスター・チラシ・選挙公報・政策スライド」の写真を見ればよくわかる。
⑤選挙公報デザイン制作5万円について、選挙公報の印刷は兵庫県選挙管理委員会が行うから、
斎藤陣営が「自腹」で支払うことは当然である。
ただ5万円は破格に安い値段である。
というのも、メルチュは選挙公報のモノクロデザインだけでなく、SNS用にカラー版もつくっている。
不思議なのは、②チラシデザイン制作15万円と③ポスターデザイン制作5万円の2つの項目である。
選挙運動用ビラ(チラシ)と選挙運動用ポスター(個人演説会告知用ポスターを含む)デザインは公費負担で済む。
ところが、斎藤陣営はチラシ、ポスターデザインにかかる費用としてメルチュに支払いをしたとしている。
公費負担で済むところを、斎藤陣営はわざわざ「自腹」を切ったことになる。
この自腹負担を見れば、斎藤陣営が公職選挙法をまったく理解していないのではないか、と疑いの目を向けられても仕方ない。
●ポスター代を自腹で依頼する候補者など1人もいない
ふつうであれば、デザインを請け負ったメルチュが印刷会社に発注して、
メルチュが直接、選挙管理委員会にかかった費用を請求することになる。
チラシ、ポスターのデザイン制作費用は合わせて20万円である。
公費負担であることを知りながら、その2つを別個に自腹で、デザイン会社に依頼する知事候補者など全国どこを見回してもいない。
兵庫県知事選では、チラシは約26万5000枚、ポスターはポスター掲示場数の2倍まで作成できる。
つまり、それなりの費用が掛かるのである。
●斎藤知事は公選法をよくわかっていない
27日の定例会見で、フリーの記者が「公費負担のポスター」について、「なぜ自腹を切ったのか」と斎藤知事の見解をただした。
「詳細を承知していない」と回答する斎藤知事に、さらに
「(斎藤知事は)公選法を所管する総務省の出身なのに知らないのか」
「100%税金の支払いではないか」と突っ込みが入ると、「その辺りも弁護士に託している」と逃げた。
追い討ちをかけるように「ポスターが公費申請の対象だと知らなかったのか」と問われると、
斎藤知事は「確か1万5000枚までについては公費の対象となる」と回答した。
筆者には「1万5000枚」という数字がどこから出たのか、さっぱりわからなかった。
「兵庫県の選挙運動用ビラ及び選挙運動用ポスターの作成の公営に関する条例」を調べてみたが、
「1万5000枚」という数字はどこにもなかった。
斎藤知事が何らかの勘違いをしたのだろう。総務省出身のキャリア官僚でさえ公選法の細かい規定を承知していないのだ。
ましてや、奥見弁護士が複雑な公選法の規定を理解しているはずもない。
とにかく、折田氏の投稿による?暴露”記事を何とかごまかそうとするのに精一杯なのだろう。
だから、ポスターとチラシデザインが公費負担の対象なのに、メルチュへデザイン費用を支払ったことにして、
SNS関連ではない「正当な支払い」に見せ掛けたに過ぎない。
続く