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★米高官「ウクライナ核保有認めず」 通常戦力で自衛強化
2024年12月2日 5:19
【ワシントン=坂口幸裕】米ホワイトハウスのサリバン大統領補佐官（国家安全保障担当）は1日、
ウクライナへの軍事支援で核兵器の保有を容認する可能性を否定した。
一方、2025年1月にバイデン大統領が退任するまで「可能な限りの手段を提供するために全力を尽くす」と表明した。
米ABCテレビのインタビューで語った。米紙ニューヨーク・タイムズは米政府高官の話として、
バイデン氏がウクライナの核兵器保有を許可することもあり得る報じた。
ウクライナが核保有すれば「即座に強力な抑止力となるが、複雑で深刻な影響を伴う」とも伝えた。
サリバン氏は番組の司会者から、冷戦時に旧ソ連圏だったウクライナに配備されていた
核兵器の再配備を検討しているかと問われ「検討していない」と否定した。
「ウクライナに通常戦力を増強し、効果的に自国を守ってロシアと戦えるようにする。
核戦力ではない」と明言した。
ロイター通信によると、ウクライナのゼレンスキー大統領は11月、トランプ次期米大統領氏と9月に会談した際、
ウクライナの安全保障には北大西洋条約機構（NATO）へ加盟か核武装が必要と提起したと明かした。
そのうえで旧ソ連崩壊後は核兵器を放棄したため、NATO加盟がロシアを抑止する唯一の方法だとも訴えた。
その後、ゼレンスキー氏は、核兵器製造の準備をしているとは言及していないと釈明した。
ゼレンスキー氏の発言を受け、ロシアのプーチン大統領はウクライナの核兵器保有を認めないと強調した。
秘密裏に核兵器の取得はできず、ウクライナが獲得に動けばロシアは適切な対応を講じると威嚇した。
同国のメドベージェフ安全保障会議副議長（前大統領）は米国がウクライナに
核兵器を供与すればロシアへの攻撃と見なし、核による対応の根拠となり得ると述べた。
バイデン政権はトランプ氏は提唱するロシアとウクライナの停戦交渉をにらんだ
武器支援の強化に軸足を移している。大統領選でトランプ氏の勝利が決まった直後に
ウクライナが米国製の長距離兵器をロシア領内で使うのを容認したほか、対人地雷供与を許可した。
サリバン氏は「残り50日間、ウクライナが交渉のテーブルでより強力な立場に立てるように最善を尽くす」と明言した。
「バイデン氏は退任するまでに連邦議会が承認した予算をすべて使い切るようにする。
私にできるのはバトンタッチの際にウクライナを最善の立場に置くことだ」と話した。
日経新聞 URLﾘﾝｸ(www.nikkei.com)