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URLリンク(upload.wikimedia.org) SACDのロゴ
(前略)
◆音質面の制約をクリアしたSACDの登場
製造や流通、プレーヤー機器に対する要求など、物理的な制約に加えて、CDの規格には音質面
でも制約がありました。直径12cmの光ディスクはCDが登場した1982年当時は最先端の技術であり、
1枚のディスクに74分という収録時間と約650MB(メガバイト)の記録容量で十分と考えられていたのです。
しかし、その収録時間を実現するために、周波数帯域など音声信号の情報を一定の範囲に
制限する必要がありました。そのためデジタル録音技術が時代とともに進化してCDを上回る
音質を実現できるようになっても、その情報をCDに収録しきれないという問題が起こりました。
CDの規格自体が古くなってしまったのです。
その制約を乗り越えるために「次世代CD(スーパーオーディオCD:SACD)」
が提案され、1999年に発売されました。2層構造のディスクでは記録容量が
最大8.5GB(ギガバイト)に及び、CDの10倍以上の情報を記録することができます。
◆SACDでも克服できなかった物理的なデメリット
SACDは現在もディスクとプレーヤーの生産が続いており、クラシックを中心に新譜も発売されていますが、
CDに置き換わる存在にはなりませんでした。音楽配信が始まる直前に登場したというタイミングの
問題もありますが、すでに触れた物理的なディスクメディアの短所はSACDにもそのまま当てはまり、
データ再生への移行を食い止めるほどの魅力はなかったと言わざるを得ません。
一方、ダウンロード方式の音楽配信の場合は配信する側で信号形式を絞り込む必要
はなく、インターネットの速度さえ確保すればデータサイズの制約も事実上ありません。
録音・編集した音源をそのまま配信することも原理的には可能で、録音技術が進化して
新しい方式が登場したとしても、再生機器さえ対応すれば音源を配信することができます。
そこにも固定された規格の枠を超えられないCDとは根本的な違いがあるのです。
■関連リンク:【ソニー】スーパーオーディオCD
URLリンク(www.sony.jp)
・SACDと従来CDの比較 URLリンク(www.sony.jp)
(次へ続く)