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★めぐみさん拉致 政府は救出に全力挙げよ
2024/11/16 6:00
あまりにも長い時間が流れていることが無念だ。
親世代が元気なうちの救出に向け、政府は全力を挙げねばならない。
47年前の1977年11月15日に新潟市立寄居中学1年の横田めぐみさんが北朝鮮に拉致された。
当時13歳だっためぐみさんは先月、還暦の60歳となった。
待ちわびる家族の高齢化は著しい。父滋さんは4年前に87歳で亡くなった。
入退院を重ねている88歳の母早紀江さんは「口にしたくないくらいの長さ。言いようのないいらだちがある」と語る。
未帰国の政府認定拉致被害者の親世代で、存命なのは早紀江さんら2人だけとなった。
救出には日本政府の主体的な取り組みが必須である。
政府は拉致問題を「最重要課題」に掲げ続けているものの、日朝首脳会談は2004年を最後に開かれていない。
首相直轄でのハイレベル協議を提唱した岸田文雄前首相も結果を出せなかった。
石破茂首相を含めて、早紀江さんが会った首相は10人を超えている。
早紀江さんは政府の姿勢に「本気度はなかなか見えない。政治って何なんだろう」と疑問を投げかける。
この問いを政治家一人一人は重く受け止める必要がある。
石破首相は自民党総裁選で、東京と平壌に連絡事務所を開設する構想を掲げた。
拉致被害者家族会は、北朝鮮が解決の先延ばしに利用しかねないと反対している。
首相は、どのように拉致被害者の救出を実現するのか、全体的なビジョンをまずは説明すべきだ。
拉致問題を前に進めるには、国際社会の理解と協力が大事だ。特に米国との連携が欠かせない。
米大統領選ではトランプ前大統領が勝利した。拉致問題の膠着(こうちゃく)状態が続く中、
バイデン現政権より動きが出ることへの期待もあると指摘する専門家もいる。
トランプ氏は第1次政権時に核・ミサイル開発を進める
北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記と会談を重ねた経緯がある。
当時決裂はしたが、トランプ氏に期待の声が出るのは、その行動力にあろう。
現状打破へ石破首相はトランプ氏との関係構築を急ぐべきだ。
今月、スイスであった北朝鮮の人権状況を審査する国連人権理事会の作業部会で、
北朝鮮側は拉致問題に関し「ずっと昔に完全に解決した」との認識を示した。
柏崎市の拉致被害者で新潟産業大特任教授の蓮池薫さんは、
めぐみさんらを「死亡」とした北朝鮮の主張は「うそ」と強調する。物的証拠がないことなどが理由だ。
政府は国内外で情報収集を重ね、北朝鮮の「うそ」を突き崩す材料を着実に増やしてほしい。
きょう16日に新潟市で「忘れるな拉致県民集会」が開かれる。
拉致被害者や特定失踪者の早期救出を改めて誓い合いたい。
新潟日報 URLリンク(www.niigata-nippo.co.jp)