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★エスカレーターを歩かないで… マナー支える最新技術
2024年10月24日 13時37分
エスカレーターを使う時、思わず空いている方を歩いたり走ったりしてしまうことはありませんか?
「乗りたい電車がホームに来ていて」「約束の時間ギリギリで」
都内で働く私(記者)も、過去につい空いている右側を歩いてしまうことがありました。
でも、エスカレーターを使う人の中には「右側に立たないと危ない」という人もいるんです。
(おはよう日本記者 野中悠平 / 名古屋放送局ディレクター 杉浦雄樹)
●左半身がまひ「自由がきく右側に立ちたい…」
都内でも地下深くを走っている都営地下鉄大江戸線。
この路線を使っている川瀬正広さんです。
左半身がまひ 川瀬正広さん
11年前に脳出血を発症し、一時は全身がほとんど動かない状態に。
リハビリに取り組み外を出歩けるまでになりましたが、左半身にはまひが残りました。
川瀬さんが困っているのが、エスカレーターを使う際の「左側立ち」「右側空け」という首都圏の慣習です。
本当なら右側から、自由がきく右手で手すりをつかんで乗り込みたいところですが、
混雑時には難しくやむを得ず左側から乗ることもあるといいます。
どういうふうに乗るのか、実際に見せてもらうと…。
※写真 体から遠い右側に手が伸びる
URLリンク(www3.nhk.or.jp)
乗り込む時によろめいたあと、とっさに右側の手すりをつかもうとしてさらにバランスを崩してしまいました。
◆左半身がまひ 川瀬正広さん
「左側から乗ると、どうしても右手がどちらの手すりからも遠くなる。
体にまひが出てからは動いている床の上でバランスを取ることだけでなく、乗り降りのタイミングもすごく難しくなりました。
“乗る時にミスをしたらどうしよう” “降りる時に転んでしまうんじゃないか”と。
エスカレーターの左側に乗る時には常に緊張感があります」
●右側に立つと後ろからの“プレッシャー”が
川瀬さんはなぜ危険を冒してまで左側に立とうとするのでしょうか。
背景には過去の苦い経験があるといいます。
◆左半身がまひ 川瀬正広さん
「右側に立っていると、後ろから急いでくる人に“どいてくれ”と言われることが少なくないんです。
真後ろまで来て舌打ちをされることもあって、やっぱりプレッシャーを感じます。
中には右手でつかんでいる手すりと体の間をこじ開け強引に抜かしていく人もいました。
なんとか踏ん張って転ばずに済みましたが、転げ落ちてけがをする恐怖が頭をよぎりました。
そんな経験もあって、エスカレーターの右側に立ち続けるというのは自分の中で抵抗があるんです」
●歩行者による事故頻発も変え難い“慣習”
※グラフ URLリンク(www3.nhk.or.jp)
エスカレーターでの事故のうち「歩く・走る人」によるケースは決して少なくありません。
業界団体の調査では、歩いてつまずくなどの「乗り方不良」が805件(51.9%)と最も多く、全体のおよそ半数を占めています。
鉄道事業者も事態の改善に取り組んできました。
都営地下鉄を運営する東京都交通局では、エスカレーターに立ち止まって安全に乗るよう、
駅構内でのポスター掲示や繰り返し流れる構内放送などでの周知・啓発活動を進めています。
こうした取り組みは全国のほかの鉄道事業者とも協力して行っています。
ただ長年の慣習を変えるのは一筋縄ではいかないといいます。
◆東京都交通局電車部 梶田武憲助役
「急いでいる人などはエスカレーターを歩いて利用するケースが多いと思います。
ただ駅にはさまざまな事情を抱えたお客様がいるので、すべての人に対してエスカレーターでの
歩行を禁止するという文言までは出しにくい。利用する際のマナーという形で呼びかけをしていますが、
対応に苦慮しているところではあります」(続く)
NHK URLリンク(www3.nhk.or.jp)
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