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★小泉氏の解雇規制緩和案「すさまじいハレーション」 他候補は慎重論
北川慧一 宮川純一2024年9月13日 19時35分
自民党総裁選では労働者の解雇規制が争点の一つになっている。
小泉進次郎元環境相は経営上の理由で人員を削減する「整理解雇」の要件緩和を掲げるが、
13日の共同会見では他の候補者から慎重な意見が相次いだ。
「大企業で眠っている人材が成長分野に移動できる環境を作る」。
この日の共同会見で、小泉氏はこう強調した。
整理解雇は労働法に明確な規定がなく、判例の積み重ねで4要件が示されている。
小泉氏は6日の立候補表明会見で、企業が解雇を避ける努力をしたかという要件の緩和を提案。
従来は希望退職の募集や余剰人員の配置転換が求められてきたが、
学び直し(リスキリング)や再就職支援を加える法改正を掲げた。
ただ、この日は整理解雇をめぐる具体的な言及はなかった。
「解雇の自由化を言っている人は私を含めて誰もいない」と述べ、
「労働市場の流動性を高めていく方向性については、誰も異論がない」と語った。
●相次いだ反論
一方、他の候補者からは反論が相次いだ。
高市早苗経済安全保障相と加藤勝信元官房長官は、4要件を基本とする姿勢を強調。
高市氏は「短い期間の議論で立法して判例を覆すのは容易ではない」と指摘した。
小林鷹之前経済安全保障相は「安易な解雇規制の緩和には慎重であるべきだ」と明言した。
解雇規制をめぐる論点は他にもある。
河野太郎デジタル相は、不当解雇に対して金銭補償を受けられるルール作りを改めて訴え、
「不当解雇を防げるようになる」と主張した。
河野氏が訴える解雇の金銭解決制度は、第2次安倍政権下の2015年に成長戦略に
検討方針が盛り込まれ、厚生労働省の検討会が22年に法的論点に関する報告書をまとめた。
しかし、労働組合側が不当な解雇を助長するなどと強く反発しているほか、
中小企業団体からも解決金の水準設定には慎重な意見があり、議論は滞っている。
●労使、厚労省も関心
総裁選の議論に、労使や厚労省も強い関心を寄せる。
整理解雇について、労組側は「やむを得ない事情で企業で行われているのに、
なぜ緩和するのか理解ができない」(松浦昭彦・連合会長代行)と批判。
厚労省幹部も「ハレーションがすさまじく、イメージができない」と困惑する。
一方、経済団体の幹部は「賃上げを十分やってきたんだから、
解雇規制は柔軟にしてほしい」と歓迎する。(北川慧一、宮川純一)
解雇規制をめぐる自民党総裁選の候補者の主な発言(13日の共同会見)
・高市早苗経済安全保障相
整理解雇は判例で4要件が確立されており、立法で覆すのは容易ではない
・小林鷹之前経済安全保障相
安易な解雇規制の緩和は働く人を不安にさせかねず、慎重であるべきだ
・林芳正官房長官
解雇が無効となった労働者の希望に応じた金銭救済制度の議論を進める
・小泉進次郎元環境相
解雇の自由化とは言っていない。大企業にリスキリングなどを義務づける
・上川陽子外相
お金で一方的な解雇が自由であるということは決してあってはならない
・加藤勝信元官房長官
解雇規制のベースは最高裁の4要件。働く人の立場を踏まえた議論が大事
・河野太郎デジタル相
不当解雇に対して金銭で補償を受けられるルールを明確化する
・石破茂元党幹事長
整理解雇は回避努力が問われる。非正規の削減(解雇)は時代と逆行する
・茂木敏充党幹事長
人生100年時代、転職が普通という社会を作っていくことが先決だ
朝日新聞デジタル URLリンク(digital.asahi.com)