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★「ブラックボックス」にお墨付きを与えた悪法? 「政策活動費」は小分けになっただけ、使途は依然見えない
2024年7月12日 06時00分
<政治とカネ考・残された課題>
◆自民幹事長が10億円もばらまいた
「5000万円 茂木敏充」「5000万円 麻生太郎」
自民党本部の2022年の政治資金収支報告書には、「政策活動費」と記された支出が4ページにわたって連なる。
最も多い茂木幹事長は冒頭の5000万円以外にも20回以上の支出があり、計10億円弱。
全体では党幹部ら15人に計14億円超が配られたことが分かる。
そんな大金を何に使ったのか。岸田文雄首相ら党幹部は、法律上、明らかにする義務はないとして
「党に代わって党勢拡大や政策立案、調査研究を行うため」としか説明しない。
政策活動費が「ブラックボックス」と呼ばれるゆえんだ。
◆「政治活動の自由」を盾に廃止を拒む
不透明なカネの象徴として、今回の政治資金規正法改正でも議論の焦点となった。
立憲民主党などは廃止を求めたが、自民は「政治活動の自由」を盾に温存させた。
一定の改善は図られたが、十分とは言い難い。
改正法では「組織活動費」「選挙関係費」などの大まかな項目別金額と支出年月を新たに
政治資金収支報告書に記載することになった。だが、具体的な使途が見えない点は相変わらずで、
野党からは「大きなブラックボックスを小さなブラックボックスにするだけ」と批判が相次ぐ。
◆「10年後公開」「第三者機関」検討だけ
改正法の付則には年間上限額の設定や領収書の10年後公開、使途を監査する第三者機関の
設置が盛り込まれたが、いずれも検討項目にとどまる。
仮に実現しても国民の監視は10年間届かず、公開後に問題が発覚しても、
規正法の公訴時効5年を過ぎているため罪に問えない。
幹部から別の国会議員や地方議員に渡った場合、最終的に何に使ったか明らかになるかは未定。
領収書の一部は黒塗りになって公開されない恐れがある。
もともと政策活動費は法律上の規定がなく、明確な定義もなかった。
今回の法改正を「政策活動費を合法化する改悪」と批判する声もある。(井上峻輔)
東京新聞 URLリンク(www.tokyo-np.co.jp)