【論説】集団的自衛権と歴史批判 習主席の対日批判講話の背景…津上俊哉 [07/09]at NEWSALPHA
【論説】集団的自衛権と歴史批判 習主席の対日批判講話の背景…津上俊哉 [07/09] - 暇つぶし2ch2:依頼@ちゅら猫φ ★
14/07/09 15:11:17.06
>>1より

(2)既視感
2005年の反日デモが大きな盛り上がりを示したきっかけは何だったか、覚えておられるだろうか。
それ以前から、毎年靖国参拝を続ける小泉総理(当時)に対する反発はあったが、直接のトリガーを引いたのは
「日本の国連常任理事国入り」問題だった。この問題が中国に知られた途端、大手ポータルサイトがこの問題を
取り上げて反対する特集ページを陸続と立ち上げたのをよく憶えている。

国連常任理事国の創始メンバーは蒋介石の中華民国であって、中華人民共和国は1971年にその地位を引き継いだに
過ぎない。しかし、中国人にとっては「中国が抗日戦争の苦難の末に勝ち取った、我々の“P5”(Permanent five
:五大常任理事国)の椅子」なのだ。「たいへんな犠牲を払って手に入れたその特権的椅子に、日本も座ろうと
している…」中国人はそのことが理屈でなく心情的に許せない―そんな感じだった。

純粋な外交の見地からすれば、「結論先に在りき」式ではなく検討に値するテーマである。日本がP6なりP7に
なったら、どういう行動を取るのか、宗主国米国の制約を脱して「普通の国」になるきっかけになるのか、
中国の同意を得るために日本はどんな交換条件を呑めるのか等々。

そういう冷静な利害の計算をするのが、本来の中国外交であろう。現に、外交部には当初そういう発想もあったと聞く。
しかし、戦争の記憶も蘇って、「許せない」という国民の大きな情念がそういう議論を押し流していった。

今回の「集団的自衛権」問題にも似たところがある。著名コラムニスト、鄧聿文は、7月5日付けWSJ中文版
に「日本の集団的自衛権解禁は中国にとって悪いことばかりではないかもしれない」というコラムを寄せた。
大意は;敗戦後米国に戦争放棄を強いられた日本の経緯や昨今の国際環境の劇的な変化に鑑みれば、集団的自衛権を
解禁したり、「普通の国になりたい」という日本の欲求には合理的な側面もある。中国は日本に「歴史を正視せよ」
と要求することはできるが、「普通の国になってはならない」と要求することはできない。

この解禁により日本が中国に戦争を仕掛けてくるのではないか?というのが中国の懸念だが、
いまの日本の民意を観察すれば、その可能性は低い。日本は中国に戦略的に対抗したいだけである。

だとすれば、我々も自分のことをしっかりやれば良い。安倍が軍備を増大し、中国に対する戦略的対抗姿勢を採る
ことは、中国も強大な軍隊を整備するための何よりの理由になる。その意味で、この決定は中国にとっても
悪いことばかりではない。
こういう方が中国伝統の戦略的考え方だが、大衆はこうした見方はしない。やはり日本の集団的自衛権解禁が
「戦争の記憶」を呼び醒ますのだ。7月3日付け解放軍報は「日本の危険な動向を強く警戒する」という社説を載せ、
「憲法解釈は内政問題というが、侵略戦争の犯歴のある日本に関していえば、日本の未来の行方、アジアの安保
情勢そして戦後国際秩序に影響する重大な事件である。安倍はパンドラの箱を開けた」と主張した。
こちらの方が中国大衆の心情にフィットする。

一定の理解を示す戦略家もいるが、中国大衆にとって、今回の集団的自衛権解禁のニュースは、
やはりショッキングで警戒感を呼び醒ます出来事なのだろう。とくに敏感に反応しているのは、
「反日教育を受けた」若年層というより、戦争を記憶する老年層だと思う。
憶測だが、党や関係機関には、また彼らから大量の手紙や電話が届いているのではないか。>>3


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