22/10/22 11:50:18.50 .net
● 「いちご畑でつかまえて」 松田聖子
作詞:松本隆 作曲:大瀧詠一 編曲:多羅尾伴内 (1981年発表)
アルバム『風立ちぬ』の収録曲。
私の70年代中期『ナイアガラ・ムーン』の時代の曲作りは、
コード進行だけを決めてサウンドを作り、
後でメロディーを考えると言う手法が中心でした。
私の「福生ストラッド」などがその例です。
80年代は歌を中心としましたので、メロディ中心の作曲法が主でしたが、
その中でこの「いちご畑でつかまえて」は70年代手法で作ったものです。
なぜなら作る曲数が多かったものですから(笑)
コード進行しかない譜面を見て、ギターを担当した鈴木茂クンが、
「メロディーは?」と、聞いてきたの覚えています。
茂クンはメロディーがないオケで、あのフレーズを考えたのですから、
いつもながらすごいギタリストです。
オケができてからメロディーを作ったのですが、
聖子さんのキー(女性キー)であることをすっかり忘れて、
自分のキー(男性キー)で作ってしまいました。
しかし、できてしまったメロディーが気に入ったので、
そのハーモニーを主旋律にしたのです。
このようなケース歌謡曲界にもちょくちょくあったことを、私も後で知りました。
(その中には皆さんがよーく知ってる曲もありますよ。)
しかし、結果オーライといいますか、何か妙なメロディーラインが
新しい新味に感じられたものですから、アーラ不思議!です。
参加した数人のミュージシャンから、
「こーゆーメロディーになるとは全く予想もつかなかったよ」と言われました。
そうでしょう、だってハーモニーですから(笑)。
これは初めて明かす真実です。
楽曲の中には関係者でさえ知らないエピソードが山のようにあるんです。
決して一人が作っているわけではなく、大勢の人が参加していますからね。
さてこの「いちご畑でつかまえて」ですが、
本盤(『Niagara Song Book Ⅰ』)では、
最初のカウントとエンディングのリプライズがカットされています。
アルバム『風立ちぬ』においても、元来はこの形式で提供する予定でした。
つまり、オリジナル版の方が『遊び入り』のバージョンだったわけです。
以上、『Song Book I 大瀧詠一作品集Vol.1』のライナーノートからの引用
URLリンク(i.imgur.com)
URLリンク(i.imgur.com)