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名古屋市がアジア大会共催「撤回」 県と協議進まず
愛知県と名古屋市が共催を目指す「２０２６年アジア競技大会」の誘致を巡り、名古屋市は５日、共催をいったん白紙に戻し、
立候補を取り下げることを決めた。開催地の正式決定が迫る中、県との間で開催経費の負担割合の協議が進まないためという。
河村たかし市長は記者会見で「多額の税金が必要になるだけに、粗い試算でも市民や議会に説明し、理解を得なければいけない」
と述べた。
県と市は５月に日本オリンピック委員会（ＪＯＣ）に立候補意思表明書を提出したが、市は取り下げを県やＪＯＣに通知。ただ、
あらためて県から共催の申し入れがあった場合は再検討の余地を残し、市長は「共催して成功させたいという強い思いに変わりは
ない」と説明した。
県や市によると、今月１３日のＪＯＣ理事会で愛知・名古屋が国内候補地に正式に決まり、同２５日のアジア・オリンピック評議会
（ＯＣＡ）総会で開催地が決まる見通し。市はこのタイミングまでに概算経費や負担割合を明確にすべきだと主張したが、受け入れ
られなかったという。
市は、選手村整備費を含めた全体経費を８５０億円と試算。メイン会場となるパロマ瑞穂スタジアムの全面改築にも４００億円程度を
見込む。全体経費の負担割合として、人口比や愛・地球博など過去のイベントを踏まえ「県２・市１」を提案。県はＯＣＡと本格的に
調整を始めたばかりで「全体計画を固めきれていない」として応じなかった。
６日にも、立候補表明に必要な「開催構想」が経費や負担割合を示さないまま公表される見通しとなり、市は説明責任を果たせないと
していったん白紙を判断した。
一方、大村秀章知事は定例記者会見で「突然のことで大変驚いている。事前に連絡、相談もなく正直困惑している」と語った。すでに
ＯＣＡ総会の招待状が届いており「県市共催でしか開催できない。市と引き続き協議調整する」と述べた。
県は、リオ五輪後、職員をＯＣＡ本部があるクウェートに派遣。情報収集を進め、事業計画の策定を急ぐ。ただ知事は、総事業費や
負担割合は「事業計画を策定する全条件がＯＣＡから来ていない現状で作りきれないし、途中段階の数字は示せない」と説明した。
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