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名古屋市議会:河村市長、再議へ 保育料値上げ白紙案可決
名古屋市が保育料を値上げする方針を示している問題で、市議会は２２日の本会議で、１３年度予算案から値上げ分４億３３７０万円を
削除し、値上げをとりやめる修正案を賛成多数で可決した。河村たかし市長は「修正案は地方財政法の規定に違反する」として審議をやり直す
「再議」に付すことを表明。名古屋市長選（４月７日告示、２１日投開票）で激突する河村市長と自民などの野党会派が、保育料の値上げを
巡って全面対決する構図となった。
自民、公明、民主、新政会の野党会派が出した修正案では、「アベノミクス」による景気回復で法人市民税の増収が見込めるとの財源案を
示した。河村市長は記者団に「財源を（これから）景気が良くなる分で補うというのは聞いたことがないし、恐ろしいこと。そんなどんぶり
勘定でいいなら市長も議会もいらない」と強く批判。地方財政法３条２項には「あらゆる資料に基づいて正確に財源を捕捉し、それを予算に
計上しなくてはならない」とあり、河村市長は「修正案は同法違反」として「４項再議」に付す方針だ。
一方の野党会派側は「景気動向などを調査した上で増収を見込み、修正案を出した。主張を変えるつもりはない」としている。４項再議の
場合は過半数の同意で可決となるため、野党会派の修正案が再可決される可能性が高い。
河村市長は保育料値上げの目的について「名古屋市は４月で待機児童がゼロになるが、値上げ分の４億円は１４年度も待機児童ゼロを継続
するための費用。財源がないから値上げは必要だ。議会の良識を信じている」と主張する。だが、野党側は「１２年度に始めた５％減税
（１１３億円分）が値上げにつながっており、容認できない」と反発。両者の主張は平行線をたどっている。
【ことば】４項再議
地方自治法１７６条４項に基づく再議。議決に異議がある場合に行う１項再議と違い、議会に越権や法令違反などが認められる場合、首長は
再議に付さなければならないとの義務規定がある。１項再議は議会が３分の２以上の同意で再可決すれば議決は確定するが、４項再議は過半数の
同意で再可決しても知事に審査の申し立てができる。
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