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>>205 補足
再録
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「数学通信」第21巻(2016年度)第4号目次
数学の発展と展望 砂田 利一 23
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P2
2 無限の概念
P3
高校で習う数列と極限の定義にも,日常的言語で説明した方が理解を容易にするせいか,「可能無限」的表現が使われている.2
注釈
2念のため,数列と収束の現代的定義を述べておく.「数列{an} n=1~∞ は自然数の集合Nから実数の集合Rへの写像であり,lim n→∞ an = a であるとは,「任意の正数ϵに対して,ある自然数Nが存在して,
任意の自然数nについてn≥Nならば| an-a |< ϵが成り立つことである」.
ここで注目すべきは,実無限と可能無限の双方を取り入れた形で収束を定義していることである.
さて
<関連>
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位相空間
収束
本節の目標は、位相空間上での収束概念を定義し、収束概念によってこれまで述べてきた様々な概念を捉え直す事にある。 位相空間における収束概念は、距離空間における点列の収束概念を適切に修正する事により得られる:
定義 (距離空間における点列の収束) ― (X,d)を距離空間とする。Xの点列
(xn)n∈NがXの点xに収束するとは以下が成立する事を言う:
∀ε>0 ∃n0∈N ∀n>n0 : xn∈Bε(x)
ここで、
Bε(x)={y∈X|d(y,x)<ε}
である。
位相空間における収束を定義するにあたり、上述の距離空間における収束の定義に2つの変更を行う:
1.ε-近傍Bε(x)の代わりに一般の近傍を用いる。
2.点列の概念を一般化した有向点族の概念を導入し、有向点族の収束を定義する。
1番目の変更を行うのは、位相空間には距離の概念がないので、そもそもε-近傍を定義できないからである。
一方2番目の変更を行うのは、点列の収束概念だけでは位相空間の諸概念を定式化するのに不十分だからである。
たとえば距離空間の場合には連続性の概念は
lim n→∞ f(xn)=f(lim n→∞ xn)
が収束する任意の点列に対して成り立つ事により定式化できるが、
一般の位相空間の場合は「任意の点列」ではなく「任意の有向点族」に対してこれと類似の性質が成り立つ事により連続性を定義する必要がある。
なぜなら点列の場合は添字集合が可算なので、点列の概念で連続性を捉え切るには位相空間の方にも何らかの可算性を要求する必要があり(列型空間を参照)、一般の位相空間の連続性の概念を適切に定義するには点列の概念では不足だからである。
なお、位相空間上ではフィルターの収束という、もう一つの収束概念を定式化できる事が知られているものの、収束する有向点族と収束するフィルターとにはある種の対応関係がある事が知られている。詳細は有向点族#フィルターとの関係を参照
つづく