25/08/25 20:36:34.16 /ZwuI2/k.net
>>201
ふっふ、ほっほ
下記 砂田利一先生「数学の発展と展望」(「数学通信」第21巻(2016年度)第4号)
を追加しておく
時代は、有限主義から 「実無限」を認める方向へ
動いているよ ;p)
(参考)
URLリンク(www.mathsoc.jp)
「数学通信」第21巻(2016年度)第4号目次
数学の発展と展望 砂田 利一 23
URLリンク(www.mathsoc.jp)
数学の発展と展望∗明治大学総合数理学部
砂田 利一
P2
2 無限の概念
19世紀後半まで歴史の中で大きな影響を与えたのはアリストテレス(前384–前355)である.
彼は,無限には「実無限」と「可能無限」の2種類があって,可能無限は認められるが,実無限は存在しないと考えた.
カントルの集合論は,まさにアリストテレスに対するアンチテーゼなのである.
念のため,「実無限」と「可能無限」の意味を与えておく.
可能無限:無限を把握出来るのは,限りがないということを確認する操作が存在していることだけで,無限全体というのは認識出来ないとする立場
実無限:無限の対象の全体性を把握して,無限が実際に存在しているとする立場
例えば,自然数は,1, 2, 3, 4,··· というように,順に数え上げていくことで認識される対象であるというのが可能無限的考え方であって,
他方,自然数全体の集まりを一挙に認識し,それを例えば記号Zで表すというのが実無限的考え方である.
「可能無限」は人間の認識能力の限界の中で確かめられる無限であり,実無限は有限の存在である人間の及ぶところではない超越的な無限と言ってもよい.
このような理由から,哲学者の多くは,集合論上で構成された現代の数学理論を認識論的に問題があると主張する.
例えばヴィトゲンシュタイン(1889–1951)は,「集合論はまったくのナンセンスであり,笑うべきもの,そして根本的に誤り」であると言う.
一方,ヒルベルト(1862–1943)は,メタ数学(数学理論を語るための数学)は有限的でなければならないが,矛盾が生じない限り,論理上の実無限は認めるべきであるという.
P6
4 展望
数学の将来を語る場合,人工知能(AI)と数学の関係は無視できない話題である.既にAIはプロの碁と将棋の棋士を打ち負かし,さらに人間のみが関われると考えられていた分野へAIが進出する勢いは加速しつつある.数学も例外ではない.とは言え,人工知能がどこまで発展し,数学研究に影響するのかは,実際には予測不可能と言うのが正直な思いである.無理をすると,「何でもあり」,「言いたい放題」の予測ということになりかねない.確かなことは,4色問題やケプラー予想の解決に援用されたように,数学研究におけるコンピュータの使用はこれからも増えていくだろうし,中でもシミュレーションでは増々大きな力を発揮するだろう.