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読売 編集手帳<(覆された宝石)>とコシヒカリの話
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読売新聞
6月22日 編集手帳
2025/06/22 [読者会員限定]
なぜそう思ったのか、今でもよくわからない。高校生の時に西脇順三郎の詩「天気」を読んで、雪国の景色を想像したのを覚えている
◆<(覆された宝石)のような朝/何人か戸口にて誰かとささやく/それは神の生誕の日>。前夜からの雪がやみ、晴れ間が広がった冬の朝。一面真っ白な田んぼがきらきらと光り輝く―。宝石は色とりどりのはずで的外れな想像と気づいたが、優れた詩は読む者のイメージを自由に解き放つとも教わった
◆お日様の高度が告げる時は夏至を過ぎた。田んぼは今頃、カエルの合唱でにぎやかだろう。きれいに整列した緑色の苗は無事に成長してくれるか。ぐんぐん上がる気温のニュースが気になる
◆2年目に入る「令和の米騒動」は、政府の繰り出す政策でどう展開するのだろう。猛暑が黄金色の宝石へと成長する道行きを妨げることがないようにと願う
◆雪国・新潟の魚沼産コシヒカリがおいしいのは、山々から流れ込む冷たい雪どけ水が夏の水田の温度上昇を抑え、稲に活力を与えるからだと聞く。秋の収穫まで先は長い。大地と向き合うコメ農家には気の抜けない日々が続く。