24/05/25 08:38:32.10 VeOj487N.net
>>363
二階述語論理(Second-order Logic, SOL)は、一階述語論理(First-order Logic, FOL)よりも表現力が高く、以下のような点で一階述語論理では扱えない命題を表現することが可能です。
1. **有限性と無限性の区別**
- 一階述語論理では有限の集合しか明示的に扱うことができませんが、二階述語論理では無限集合に関する命題も表現できます。例えば、「自然数の集合は無限である」という命題は一階述語論理では表現できませんが、二階述語論理では可能です。
2. **述語の量化**
- 一階述語論理では個体変数(個々の対象)だけが量化可能ですが、二階述語論理では述語変数(性質や関係)も量化することができます。例えば、「すべての性質Pについて、Pを満たす要素xが存在する」というような命題は二階述語論理で表現できます。
3. **帰納法の原理**
- 一階述語論理では帰納法の原理そのものを表現することはできませんが、二階述語論理では可能です。例えば、「任意の性質Pについて、P(0)かつ、P(n)が成り立つならばP(n+1)が成り立つとき、すべての自然数nに対してP(n)が成り立つ」という命題は二階述語論理で表現できます。
4. **同値関係の性質**
- 一階述語論理では同値関係の反射律、対称律、推移律を完全に表現することは困難ですが、二階述語論理ではこれを完全に特徴付けることができます。つまり、「任意のxについてxはxに同値である」(反射律)、「任意のxとyについてxがyに同値ならyもxに同値である」(対称律)、「任意のx, y, zについて、xがyに同値で、yがzに同値なら、xはzに同値である」(推移律)という性質を二階述語論理では明確に表現できます。
5. **整礎性(well-foundedness)**
- 一階述語論理では整礎性を表現することはできませんが、二階述語論理では可能です。例えば、「任意の非空な性質Pについて、Pを満たす最小の要素が存在する」という命題は二階述語論理で表現できます。