河東泰之「セミナーの準備のしかたについて」は本当に正しいのか?at MATH
河東泰之「セミナーの準備のしかたについて」は本当に正しいのか? - 暇つぶし2ch727:レ行の原理  岡先生は多変数関数論の研究においていくつものめざましい問題を解決し、今日の数学の根幹の形成に大きく寄与しましたが、岡先生は既成の未解決問題を拾い集めて解決を試みたのではないという一事にくれぐれも留意したいと思います。 岡先生の心には若い日にリーマンに触発された数学の理想がありました。当初のイテレーション研究から、値分布論、多変数有理型関数の正規族、ハルトークスの集合とたどり、長い年月に及ぶ遍歴を経て「三つの中心的問題」に到達しましたが、岡先生はこれらの問題の解決を通じて、心のカンバスに描かれた数学の理想が実現されることを確信したのであろうと思います。 物語の全容の根柢に理想があり、理想に相応しい衣裳をまとう問題群が造型されるのであり、だれかしら未知の人が提出した未解決の難問に挑戦するというのではありません。岡先生の数学研究の真価は問題群の造型という一事に生き生きと現れていますし、数学の詩人「岡潔」の面目もそこにあります。  帰国後の岡先生は広島に移り住み、広島文理科大学に勤務していましたが、昭和10年(1935年)夏、中谷宇吉郎の招待に応じ、一家をあげて札幌に移動して夏休みの日々を送りました。7月末から9月はじめにかけてのことでしたが、ここで「上空移行の原理」の発見を経験しました。年初以来の懸案を乗り越える道筋を指し示す大きな発見でした。岡先生はこの発見を非常に喜んで、寺田寅彦のエッセイに「発見の鋭い喜び」という言葉を借り、幾度も繰り替えしてこのときの喜びを言い表わしました。次に挙げるのは後年の回想です。 上空移行の原理のアイデアが最初に訪れたのは8月29日と見て間違いないのではないかと思います。8月29日の記事に出ている「問題II」というのは「クザンの第一問題」のことで、上空移行の原理の発見を受けて執筆された第1論文「有理関数に関して凸状の領域」にも、そのまま「問題II」として登場します。その第1論文には「問題I」というのもありますが、それは「上空移行の原理」を確立すること、そのものを指しています。「上空移行の原理」と「クザンの第一問題」を並列し、同時に解決するというのが第1論文の道筋ですが、8月29日の時点ですでに「問題II」と言われているのですから、岡先生の心には、やがて執筆されるであろう論文の全容がすでに描かれていた様子がうかがわれます。  第i論文の序文は下記の通りです。  ところで私は、取り扱う空間を適当な次元に引き上げることにより、これらの問題の困難がしばしば緩和されることに気づいている。この論文では、この一般的なイデーをある特別の場合を対象にして実際に現出させることにより、標題の領域をより次元の高い柱状領域へと、言うなれば変形する原理を私は示す




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